2022年11月16日、アメリカ合衆国財務省から「合衆国公債主要ホルダーの保有額」のデータが公表されました。韓国を見てみるとかなり大きな動きがありました。以下です。
⇒データ出典:『アメリカ合衆国 財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
2022年09月の保有残高は「1,053億ドル」で、前月の「1,180億ドル」から一気に「127億ドル」も減少しました。
減りすぎです。直近1年の合衆国公債の保有額推移を見ると以下のようになります。
2021年の「1,332億ドル」から右肩下がりで、08月に少し戻しましたが当月に大きく下げました。この減少幅は1カ月のものとしては過去最大規模です。
『韓国銀行』が公表した2022年09月時点の外貨準備高がどうなっていたかというと……以下のようでした。
2022年09月
外貨準備高:4,168億ドル(約60兆2,026億円)※
(前月比:-197億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,794億ドル(約54兆8,005億円)
(証券類)
前月比:-155億ドル⇒Deposits:142億ドル(約2兆511億円)
(預金)
前月比:-37億ドル※SDRs、IMF position(IMFリザーブポジション)、金は省略。
※円換算は2022年10月06日「1ドル=144.44円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(September 2022)」
09月は「197億ドル」も外貨準備高が減った月でした。Securities(証券類)は「155億ドルの減少」となっていますが、この中の127億ドルは合衆国公債だったことになります。
韓国は、合衆国公債と併せて謎のSecurities(証券類)を28億ドルを売却したことになります。
しかし、現金たるDeposits(預金)は増えていません。それどころか「-37億ドル」と減少しているのです。
Securities(証券類)を売却して入手したはずの「155億ドル」と減少した現金「37億ドル」で計192億ドル。
この192億ドルはどこにいったのでしょうか。
『韓国銀行』はプレスリリースで以下のように説明していました。
ㅇ外国為替市場の変動性緩和措置、その他通貨外貨資産の米ドル換算額の減少、金融機関の外貨預金の減少などによる
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年9月末の為替保有額」
「外国為替市場の変動性緩和措置」と書いていますが、これは「ドル売りウォン買い」の為替介入です。
上掲は、ローソク足1本が1カ月の値動きを示す月足のドルウォンチャートですが、09月は始値が「1ドル=1,341.76ウォン」で終値が「1ドル=1,439.96ウォン」です。
1カ月で7.3%も対ドルでウォンの価値は下がりました。
これを食い止めるために韓国通貨当局はかなりのドルを溶かしたものと思われます。
結局、止められなかったわけですが。
(吉田ハンチング@dcp)