韓国企業の資金調達が困難になっており、金融当局が緊急会議を開催し、さらに資金を投入する動きを見せています。
それだけ資金調達市場における流動性確保が焦眉の急なわけですが、興味深いデータをご紹介します。
韓国企業が発行した社債の償還残高が過去最高に高まっています。この償還残高は、その1年間に償還しなければならない金額です。つまり満期を迎える金額で、元本を返済するか借り換えないといけません。
2022年は62兆7,375億ウォンでしたが、2023年は約13.3%増加して71兆511億ウォンになります。
70兆超えというのは、統計が取られ始めた1991年以降で最大です。以下の社債の償還残高の金額推移をご覧ください。
2024年はさらに増えて75兆2,898億ウォンに達すると推計されています。
まず、来年、2023年償還の約71.1兆ウォンですが、このうちの50.0%「約35.5兆ウォン」が、2020年に発行された3年物社債です。
2020年はコロナ禍で経済が落ち込んだのを回復させるべく、韓国金融当局はじゃぶじゃぶ流動性を供給しました。韓国の基準金利は史上最低の0.50%まで落ち、これを利用して韓国企業は社債を巨額発行。これの償還が2023年に回ってくるわけです。
問題は、償還できるのか? 借り換え(ロールオーバー)できるのか?です。
2020年のような低金利ではありません。資金調達市場の金利はご案内のとおり急騰しています。
償還できず、金利が高くて借り換えもできない――となる企業は窮地に陥るでしょう。低金利時代に作った巨額の資金調達(借金)が巨大なブーメランとなって韓国に突き刺さるかもしれません。
もちろん、そうならないように韓国の金融当局は必死なのです。
(吉田ハンチング@dcp)