韓国経済が危なかっしくなっているので、CDS(Credit Default Swap:クレジット・デフォルト・スワップ)の推移を見てみます。
2022年03月から2023年03月までのCDS推移は以下のようになります。
⇒データ出典:『kCIF国際金融センター』「早期警報部」
CSDは国の破綻可能性を測るときに役に立つ指標ですが、直近2023年03月では「43.7bp」でそこまで高くはありません。
※1bp(basis poit)は「0.1%」
一般にCDSは「200bp」で要注意。「400bp」でデフォルト懸念がある危険域といわれますが、韓国はそこまで危険な水準ではありません。
しかし、コロナ禍以降で上昇しているのは確かです。2021年11月には「19bp」と20を割っていたのですから。
上掲のとおり、2022年10月に「70.4bp」という急上昇を記録しています。
このとき何があったかというと、例の『韓国レゴランド』騒動です。
地方政府の愚かな判断でABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)が償還できなくなり、短期資金調達市場が大混乱に陥りました。
いかに大変なことになったのか経緯を説明すると長くなるので、ご存じない方は以下の先記事を参照してください。
CDSはこの事態にすぐさま反応して急騰したのです。このCDSの推移に「ドルウォン」レートの推移を重ねてみると、以下のようになります。
CDSは国の破綻可能性を示す指標といってもいいので、やはりウォン安が進行すると破綻可能性が高まるということが分かります※。
※外国がその国を「もう駄目だ」と見切って資金を抜くと、巨額の通貨売りが発生して通貨安が進行しますので、国の破綻可能性が通貨安と連動するのは当然ではあります。
ちなみに03月のドルウォンは「1ドル=1,301.90ウォン」でプロットしていますが、05月現在「1ドル=1,340ウォン」の戦いになっていますので、CDSはさらに上昇傾向にあるのです。
すぐにドボン騒動はないという推移ですが、韓国経済は経常収支赤字が定着しそうになっているなど、危ないところだらけですので、CDSも注視していないといけないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)