中国当局は、資金流出にさらされている株式市場を救うために、(日曜日だというのに)2023年08月27日、「印紙税を半額にします」などの投資家刺激策を打ち出しました(以下記事参照)。
本当に回復するのか?が見ものなわけですが、『Radio Free Asia』が中国当局の努力を嘲笑うかのような記事を出していますのでご紹介します。
以下に記事の一部を引きます。
中国の景気回復が伸び悩む中、北京が最近、市場を救済するために一連の刺激策を導入したことで、A株は月曜日に急騰した。
中国の株式市場は単なる一過性のものなのか、それともこれから強気相場が続くのか。 今回の措置で投資家の懸念は完全に解消されるのだろうか?
(中略)
金融チャンネルのメディア「财经冷眼」は文書での回答で、現在の観点から、ポジティブなニュースを利用して市場の信認を高めようとする中国政府のイニシアチブは基本的に失敗しており、代わりに外国人投資家に市場から逃げ出す機会を与えていると分析した。
「市場は良いニュースに対して完全に盲目であり、大量に逃げている」
合衆国に在するベテラン投資家、郑旭光氏は本局の取材に対し、「コンビネーション・パンチ」政策で株式市場の流動性を刺激しているが、長期的な解決策にはなっていないと述べた。
(中略)
WSJ(Wall Street Journal)の報道によると、景気回復の遅れと不動産不況に引きずられ、世界の投資家は中国株の純売り手となっており、データによると、08月以降、上海・深セン・香港のストックコネクトの仕組みを通じて、102億ドルもの資金が中国株式市場から流出している。
同紙はまた、外国人投資家が今月13日連続で中国A株を売り越しており、これは2015年11月以来の長さだと指摘した。
(中略)
「财经冷眼」はまた、中国の不動産市場のバブルが崩壊し、サプライチェーンが中国外への動きを加速させ、世界的に弱気な中国の経済成長、資本逃避、全ての要因について、中国政府の景気刺激策の効果は限られている、と述べた。
「中国政府は2015年のような人為的な強気相場を始めたいと考えているが、国有企業の資金救済という目標は長い間破たんしていると見られている。
中国の株式市場が上昇すれば、資金流出のきっかけになりかねない。
株式市場は本質的に経済のバロメーターであり、それによって経済が機能するわけではない。役に立たないのであれば、株式市場は上がらず、最終的には経済とともに下がるだけである」と述べた。
さらに「中国が政治と経済の改革を行い、再改革と開放を行わない限り、中国の経済状況は悪化の一途をたどるだろう」と分析した。
(後略)
中国当局の刺激策が株価が上昇すると、機関投資家に「いい逃げ場」を提供する――というのは、良い観点でしょう。
どうせ中国株式を売って中国市場から逃げるのであれば、高く売れるに越したことはありません。
中国がいくら印紙税を半額にしようが、短期的に盛り上がるかもしれませんが、中国共産党が信用できないという点は変わりませんし、不動産市場の崩壊、地方政府が巨額負債で首が回らなくなっているというファンダメンタルズは全く変わりませんから、中国市場にお金を突っ込むなんて愚の骨頂というわけです。
もう少ししたら、外国人投資家がどのように売買を行ったのかをご紹介するようにいたします。
中国当局の思惑どおりに中国市場が盛り上がるかどうか、にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)