先に韓国の株式市場が直近3カ月で上昇してきたのは韓国の「金融投資(機関)」「年金基金(など)」が買い支えていたためで、「外国人」のみならず「個人」「投信」「銀行」「保険」など主要プレーヤーが売りを重ねていることをご紹介しました。
ここにきて韓国株式市場の先行きを不安視する声が大きくなっています。韓国株式の「独歩安」を指摘する識者もいらっしゃいます。
韓国の株式市場の動向を示すKOSPI(韓国総合株式指数)は以下のようになっています(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/日足です)。
上記チャートに、アメリカ合衆国の株式市場動向を示す指数の一つである「S&P500」を表示させてみると以下のようになります。
S&P500はバーチャートで表示されています。合衆国の市場動向に高安のトレンドが一致していることが見てとれますが、11月の最終週において乖離(かいり)が発生しています。
これが果たして韓国株式市場だけでしょうか? 日本の株式市場を代表する指数である「TOPIX」を同じようにS&P500と共に表示させてみると以下のようになります。
高安のトレンドが合衆国市場と一致していることが分かります。つまり、日本の株式市場では乖離は発生していないのです。日本をはじめ世界各国の株式市場はどうしても合衆国の株式市場の動向に影響されます。ですから合衆国市場の動向と違った動きをするのは「!」「?」と注目を集めます。
さらに11月の上昇・下落の比率で比較してみると、以下のようになります(チャートは『Bloomberg』より引用)。
S&P500は2.42%上昇、TOPIX(TOPIX500)は1.87%上昇しているのに、KOSPIは-0.58%と下落しています。識者の指摘する「独歩安」はつまりこのような乖離現象を指しているわけです。韓国の株式市場に危険な風が吹き始めているのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)