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「韓国の外貨準備が過去最大」は喜べる話ではない。これは「借金増」ですよ

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韓国銀行』から09月末時点での「外貨準備」が発表されたのですが、先にご紹介したとおり08月末から09月にかけて韓国の外貨準備は「16億ドル(15.9億ドル)」増加しました。

Securities(証券類)が37億ドル減少して
Deposits(預金)が53億ドル増加しました

先の記事で『韓国銀行』からのリリースにおける重要なポイントをご紹介し損なっていました。以下の部分です。

2020년 9월말 우리나라의 외환보유액은 4,205.5억달러로 전월
말 대비 15.9억달러 증가

2020年9月末、韓国の外貨準備高は4,205.5億ドルで、前月末比15.9億ドル増加

o 외화표시 외평채 발행, 외화자산 운용수익 증가 등에 기인

o外貨建て外平債の発行、外貨資産運用収益の増加などに起因する

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年9月末の外貨準備高」

確かに09月中に韓国政府は14億5,000万ドル規模の「外国為替平衡基金債券」(外平債)を発行して外貨を調達しています。まず、外平債の発行によって得た外貨は「外国為替平衡基金」(為替介入の資金になります)に入るわけですが、これも韓国の外貨準備にカウントされているという点が一つ。

しかし、外平債の発行によって得た外貨が外貨準備を押し上げたといっているわけですが、少しヘンだとは思われないでしょうか。

外平債は外貨を調達するための債券定期的に利子を支払い、満期になったら元本を返済する)ですから、これは基本「負債」(debt)になるはずです。いわば借金ですので。

しかし、外平債の発行によって得た外貨(現金)は外貨準備に計上されています(でなければ『韓国銀行』も外貨準備が増えた理由に挙げません)。

これは外貨準備(Foreign Reserve Assets)が資産(assets)しかカウントしないために起こります。

面倒くさいものが出てきたなとご心配になるかもしれませんが、わずかですのでお付き合いのほどを。

上掲は「賃借対照表」ですが、まず左側が「資産の部」、右側が「負債および純資産」の合計です。この左側と右側の合計は一致していなければなりません。

実は外貨準備というのは、左側の資産の部しか見ていないものなのです(「国際収支統計」でも「外貨準備の増減」はその性格上「assets」しか計上しません)。

では、14億5,000万ドルの債券を発行してその分の外貨を獲得した場合、どうなるかというと。

このように、負債が「14億5,000万ドル」増加し、資産(の中の現金・預金の部)が「14億5,000万ドル」増加します。これで左右が合います。

で、左側の資産の部しか見なければどうでしょうか。資産は14億5,000万ドル増加しています(借金なのに)。

これが、借金しても外貨準備が増える仕組みです。

ですので、今回のDeposits(預金)の「53億ドル」の増加ですが、Securities(証券類)の37億ドル分を売却してそれを現金にしたとして、外平債発行で得た14億5,000万ドルを加えれば、51億5,000万ドルですからほぼ合います。

つまり、09月末で外貨準備全体が「15.9億ドル増加」というのは、「やったー増えたー!過去最大更新」などと喜んでいる場合ではなくて、外平債の発行によって借金が「14.5億ドル増えたから」というのが本当のところだと推測できるのです。

ですから、韓国の人や韓国メディアが「過去最大」と喜んでいるところ水を差すようですが、決して褒められた話ではありません。

むしろ、外貨建ての借金を増やし、外貨を入手しなければならない切迫した状況になっているのではないのか、と邪推をしたくなるわけです。

もちろん『韓国銀行』は正直に上掲のとおりリリースで「外平債の発行によって」と書いていますので、大喜びするのは受け手の問題ということになりますが。

にご紹介したようにそもそも本年度は「ロールオーバー」(借り換え)の必要があるなど、外平債を発行しなければならない切迫した環境にはないはずなのです。

「ドルがない?」韓国政府が15億ドル「外平債」発行の準備。必ず損するのになぜ発行する?
「外平債」は為替介入資金を作るために発行する 『中央日報(日本語版)』に「韓国、外貨準備高4,000億ドル超えるのに…外平債また発行」という記事が出ました(元は『韓国経済』の記事)。 この「外平債」――「外国為替平衡安定基金債券...

(柏ケミカル@dcp)

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