2024年01月、新たな年になりましたので韓国メディアでも「韓国経済いかにすべきか」という大所高所から述べた記事が出ています。いかにすべきかも何も、そもそも無理なのです。韓国の夏はすでに終わりました。
生産年齢人口がピークを超えて急減しているからです。そもそも生産性も低いので、韓国は経済的な衰亡を止めることはできません。
しかし、「韓国はG7にふさわしい」と夜郎自大な考えを持っており、「世界は韓国に注目している」という妄想から冷めないので、いまだに「なんとかなる」という記事が韓国メディアに出ます。
『毎日経済』の書きようが面白いので、以下に記事の一部を引用します。
世界的な投資銀行『ゴールドマン・サックス』が2075年の世界国内総生産(GDP)トップ10を分析した結果、7カ国が新興経済国である。
既存のアメリカ合衆国、ドイツ、イギリスなどを除けば、全世界の経済大国の序列に地殻変動が起こることになる。
中国、インド、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ブラジルなどが主役だ。これらの新興経済国の共通点は、人口1億人以上の人口大国という点だ。
最も人口が少ないエジプトでさえ1億300万人の人口を保有しており、合計出生率は3人に迫る。
『ゴールドマン・サックス』は「今後、新興経済国の経済成長率が先進国を上回るだろうが、これには生産性よりも人口統計学的要因が半分以上を占めるだろう」と明らかにした。
世界の「1人当たり国民所得」第1位は9万5,510ドルでノルウェーだ。10万ドルに迫る。アジアで5万ドルを突破した国はシンガポール(6万7,200ドル)、香港(5万4370ドル)だ。
しかし、世界GDPに占める割合はノルウェーが27位(5,467億6,800万ドル)、シンガポールが32位(4,973億4,700万ドル)に過ぎない。
(後略)
記事内に引用されている『ゴールドマン・サックス』の予測というのは、先にMoney1でもご紹介したことのある以下のことです。
GDP規模ランキングTop15:韓国の順位
1980年:圏外
2000年:12位
2022年:12位
2050年:圏外
2075年:圏外⇒参照・引用元:『ゴールドマン・サックス』公式サイト「The Global Economy in 2075: Growth Slows as Asia Rises」
この予測だけでも、韓国がG7に入るどころがもうGDPのTop15を維持することができないのは明らかです。
今回の『毎日経済』の記事が面白いのは「キーは人口だ」と主張していることです。
確かに、『ゴールドマン・サックス』の予測でも、2075年に経済規模が大きいのは、
第1位:中国
第2位:インド
第3位:アメリカ合衆国
第4位:インドネシア
第5位:ナイジェリア
第6位:パキスタン
第7位:エジプト
第8位:ブラジル
第9位:ドイツ
第10位:イギリス
となっており、記事内で挙げている中国、インド、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ブラジルは人口の多い国です。「1人当たり国民所得」が多い国、ノルウェーやシンガポールは世界経済において影響力はにないぞ――と言っています。
傑作です。これまで誇ってきた「貿易規模」(輸出額と輸入額を足したもの)や「1人当たり国民所得」を投げ捨てるような指摘をしています。
――で、次のように書いています。
(前略)
『韓国経済人協会』のイ・サンホ経済調査チーム長は、「一国が世界経済に及ぼす影響力、経済大国は個々の国民の所得水準ではなく、全体の経済規模に比例する」とし、「韓国が単なる富国ではなく、経済大国になるためには、人口数の維持が必須の前提条件」と述べた。韓国が単に貿易額、国民所得で先行する「半端な」先進国ではなく、真の経済大国になるためには、人口5,000万人が「マジノ線」である理由だ。
今のような超少子化現象で「縮小社会」が本格化すれば、経済成長の一軸を担う労働力が減り、消費を担う内需市場も縮小する危険性が大きいからだ。
(後略)
出ました「マジノ線」! 韓国メディアが「ここがマジノ線」というときには、必ずそのラインは抜かれます。韓国の人口は早晩5,000万人を割りますので、このマジノ線も確実に突破されます。
自身で「貿易額、国民所得で先行する『半端な』先進国」と認めました。なんだ、分かっているのではありませんか。
で、またぞろ「そんなものはない」というクラブに言及しているのです。
(前略)
韓国は2019年に「30-50クラブ(1人当たり国民所得3万ドル以上、人口5000万人以上)」に7番目に加入したが、21年後には脱落することになる。
(後略)
もう何度だっていいますが、「30-50クラブ」なんてものはありません。韓国メディアが勝手に作ったもので、韓国人の頭の中にだけ存在します。妄想のクラブに加入し、勝手に脱落していくのです。
韓国の皆さんががっかりするかもしれませんが、それでも世界は回っていくのです。
(吉田ハンチング@dcp)