2024年01月29日、香港高等裁判所は、宇宙一の不動産屋と誇った『恒大集団』を「精算すべき」とした債権者の請願を承認しました。
『恒大集団』はこの判断に対して異議を申し立てることができますが、もはやかつての経営陣、キーマンは中国当局に拘束されています(創業者の許家印さんは、2023年09月に「犯罪に関与した疑い」で拘束)。
香港高等裁判所の陳静芬判事は、『恒大集団』が1年半以上にもわたり十分な意思疎通や解決策を示さなかったと指摘し、清算命令を出しました。
Money1でも先にご紹介したことがありますが、『恒大集団』は債権者と再建のための話し合いを行うという計画だけは発表し続けましたが、結局、実現されませんでした。
香港市場では、この精算命令を受けて『恒大集団』の株式は取引を停止。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用/日足:以下同)。
まさに「なんだこりゃ(笑)」というチャートですが、29日の取引停止で「終値:0.16香港ドル」でした。
『恒大集団』側はしぶとく審理の再延期を求めましたが、延期すべき理由というのは債務の再編プランで進展があったからというのです。
ただ、この再編プランは、債務と香港の子会社2社の株式を全部交換しよう――というもの。呆れるような内容です。誰がそんなトンチキなプランに乗るでしょうか。
もっとも、元々は「30%の株式を交換する」というプランだったので、いかに追い詰められているんかが分かります。「全部差し出すから勘弁してくれ」になったので。
やっと精算かよ――なのですが、これはあくまでも香港側でのこと。清算人が、本土側『恒大集団』の事業をグリップできるとは限りません。また、中国共産党の思惑によっては、精算がスムーズに進行するかも疑問です。
ただし、『中国最高人民法院』(最高裁判所に相当)と香港司法当局は民商事判決判決の相互承認・執行に関する合意文書に署名しています。意外とバッサリいく可能性も否定できないのです。
この先の展開に要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)