2024年02月21日、中国共産党中央委員会は改訂された「中国共产党巡视工作条例(中国共産党の巡視業務に関する規則)」を公布しました。
この条例は、2015年06月26日に中国共産党中央委員会政治局会議にて承認され、08月03日に発行された条例ですが、今回で2回目の改定・発行となります。
何を定めているかというと、中国共産党内部を監視、監督するための規定です。第二条まで読めば、どんなものかはスグ分かります。
第1条
巡視業務に対する党の全体的指導力を堅持・強化し、新時代における巡視業務の質の高い発展を促進するため、本規定は中国共産党章程に基づいて制定する。第2条
巡視業務は、党中央委員会の核心であり全党の核心である習近平総書記の地位を断固として守り、習近平同志を核心とする中国共産党中央委員会の権威と中央統一の指導を断固として守ることを基本任務とし、党の指導機能に対する責任を果たす上で、下級党組織に対する上級党組織の政治的監督である。
※中国共産党章程は、中国共産党の規約です。
巡視業務というのは、上部組織による下部組織の監視・監督のことをいっており、その目的は「習近平さんの地位を断固として守ること」――と明言しています。
社会主義とか共産主義などといっている場合ではありません。習近平による独裁を認め、それを断固として守るという条例です。
第16条に、巡視の対象が述べられています。
第16条 中央巡視の対象は次のとおりである。
(1)省、自治区、直轄市の党委員会とその指導チーム、省、自治区、直轄市人民代表大会常務委員会、政府、政協指導部グループ、省、自治区、直轄市高等人民法院および人民検察院の指導党グループ、省級市党副委員会および全国人民代表大会常務委員会、政府、政協党グループの主要責任者。
(2)中央省庁および中央委員会、中央国家機関および中央省庁の指導グループ、および人民組織の党グループ(党委員会)。
(3)中央管理金融企業、中央管理企業、中央管理大学およびその他の中央管理単位の党委員会(党グループ)。
(4)党中央委員会から査察を要請されたその他の党組織。
1~4の網にかからない重要な組織は中国には存在しないので、全ての組織、それに属する者は巡視対象になり、すなわち習近平さんを守るために動かないとなりません。これは習近平個人に対する「全中国の忠誠心」を規定した文書といえます。
中国はいよいよ北朝鮮みたいになってきました。
(吉田ハンチング@dcp)