中国『吉利自動車』創業者が「6月4日」に言及してライブ配信が途絶。

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2024年03月27日、中国の大手自動車企業『吉利自動車(吉利汽车)』は、世界初のAIを用いて無人ドリフト可能な自動車を開発した――と発表。

このプロモーションで、『吉利集団』の李書福董事長は、『新東方教育科技集団』の俞敏洪を招き、クルマの中で対談を行うライブ配信を行いました。

ところが、そのライブ中に李書福さんが「06月04日」に言及してしまったのです。

読者の皆さまもご存じのとおり、06月04日は1989年に起こった天安門事件の日付であり、中国共産党政府にとっては禁句です。現在でも中国本土では「みな語るなかれ聞くなかれ」であり、事件についての情報を隠蔽しています。

↑1989年06月04日、北京市内で起こったいわゆる「天安門事件」。上掲はYouTube『TBS NEWS DIG』チャンネルの報道

昨年、2023年の06月04日にも天安門広場では献花や追悼を封じようと、公安を動員して警戒に当たりました。以下はそれを報じる『NHK』のニュースです。

⇒参照:『NHK』公式サイト「中国 天安門事件から34年 政府への批判は徹底的に抑え込まれる」

その「06月04日」について、李書福さんが言及したのは「政府批判」などではありません。あの事件が製造業にも大きな影響を与えたよ、という発言だったのですが、ライブ中継は慌てて止まってしまいました。

以下は、李書福さんの発言について報じる『Radio Free Asia』の動画です。

↑左が『吉利集団』の李書福さん。

確かに、06月04日について言及していますが、大した話ではありません。

“后来不是那个嘛,六四以后,我就不生产了。因为六四之前的话,我把电冰箱,那个时候我们叫北极花,还有一个叫琴岛夏普洗衣机……是六四发生以后,一切都停止。”

「そうではありませんでした、06月04日以降、私は生産を止めました。06月04日の前には、私は冷蔵庫、「北極花冷蔵庫」を生産していたのですが、琴島シャープ洗濯機というのもありましたが……6.4発生以降、一切の生産を止めました」

「北極花冷蔵庫」というのは李書福さんが冷蔵庫の工場長を務めていたときに、その工場でつくっていた製品です。琴島は「青島」の別名で、つまりは現在の『ハイアール』(1991年に『琴島海爾集団』)です。

いずれにせよ大した話ではありませんし、特に政治的な発言をしたわけでもありません。しかし、それでも中国では06月04日はタブーなのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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