韓国政府がぶち上げた「622兆を投入して世界最大規模の半導体メガクラスターを造成する」という「夢」は実現しません。
そもそも半導体ファウンドリーに必要となる大量の「水」、電力を供給することができないからです。
水については数字が出ており「明らかに無理」なので、Money1でも「できない理由」の第一に挙げてきました。必要電力量の方はどうも明確ではなく、「恐らく無理でしょう」でした(政府も測りかねていた節があります/あるいは意図的に隠していたか)。
しかし、『毎日経済』に面白い独占記事が出ました。記事の一部を以下に引きます。
(前略)
龍仁一帯にサムスン電子とSKハイニックスが622兆ウォンを投入して造成する「半導体メガクラスター」の電力需要量は、大型原発14基以上の発電量に匹敵するほど膨大になる見通しだ。クラスターが必要とする電力の大部分は地方から送電網を通じて引き込まなければならないが、これまで電力網の構築は住民の反対と省庁間の異論で10年以上延期されることが多かった。
(後略)
驚愕するようなことを言い出しました。
「産業通商資源部と電力業界などによると、龍仁半導体クラスターが完成して100%稼働すると予想される2053年、龍仁クラスターの電力需要量は14.7GWに達するという予測が出た」
この14.7GWというのが「大型原発14基以上の発電量」――と指摘しています。
まずこの時点で無理ですが、必要な電力量を2053年に向けて少しずつ充実させるにしても、何度もご紹介しているとおり韓国にはそもそも送電網、変電所などが整備されていません。
先にご紹介しましたが、送電網がないため、せっかく建設した火力発電所が動いていないぐらいなのです。
仮に原発を14基新設したとしても、送電網が足りないので全く無駄です。
――というわけで、622兆ウォン突っ込む世界最大規模の半導体メガクラスターはやっぱり「絵に描いた餅」に過ぎません。韓国というの本当に哀れな国です。
ついでにいえば、ほとんど指摘されませんが、北朝鮮リスクもあります。
北朝鮮の火砲の射程圏内に首都があり、その(スグといってもいい)南に世界最大規模のファウンドリー群を造成するなんて話は、アメリカ合衆国の安全保障担当者でなくても笑うでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)