韓国・李在明「世界的投資家ジム・ロジャースが私を推している」⇒ ウソでした。大統領候補者がウソつきなら支持者もウソつき

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2025年06月03日になりました。韓国第21代大統領選挙の投開票日です。

もう本日大統領が決まるのですが、李在明(イ・ジェミョン)さんと『共に民主党』がまたウソをついたことが分かりました。


↑世界的投資家とされるジム・ロジャースさん。蝶ネクタイがトレードマーク。(よせばいいのに)韓国への投資を勧めたりする人です。

世界的に有名な投資家であるジム・ロジャーズさんが、李在明(イ・ジェミョン)候補を推す声明を出した――と大々的に発表。

――ウソでした。

「ジム・ロージャースが私を支持している」と聞いた

経緯を以下にまとめます。

2025年05月29日(木)
与党・共に民主党の李在明候補陣営は国会内で記者会見を開き、元開城工業団地管理委員会長の金鎭亨(キム・ジンヒャン)さんが「ジム・ロジャースが李在明候補を支持する」旨の声明を読み上げました。


↑金鎭亨(キム・ジンヒャン)さん。元開城工業団地管理委員会長という肩書からも分かるとおりの人物です。


↑公表・配布されたロジャースさんの声明は、イギリスにいる宋炅鎬(ソン・ギョンホ)教授という人物が草案を作りました(後述)。宋教授は英国籍ですが、『LinkedIn』では「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の将来の世代を育成し、朝鮮半島の恒久的な平和を築くために、私は2016年09月にPUST(『平壌科学技術大学』)でボランティアの役割を引き受けました」と自己紹介しています。また、同じく『LinkedIn』によれば『平壌科学技術大学』で「IFM学科教授」だったのは2016年09月から2024年02月までの7年6カ月間です。現在は退任していますので、宋さんは現在教授ではないことになります。

同日、李在明(イ・ジェミョン)さん自身もFacebookに「ジム・ロジャース氏が支持宣言したと聞いた。『平和と未来のために投資しよう』と語った」などと投稿しています。

これを受けて韓国メディア各社が報道しました。

05月30日(金)
『共に民主党』側は「ロジャース氏は『平和と繁栄の新時代を開く指導者』と評価した」などと追加声明を出しています。

しかし、この「支持宣言」は事実と異なる可能性が指摘され、『国民の力』は「国民をだます詐欺行為だ」と批判。

何よりロジャースさん本人は事実と異なると報道を否定したのです。

2025年06月01日(日)
ロジャースさんは韓国メディア宛てにメールで、

「I have never declared my support for this candidate.(私はこの候補者を支持すると宣言したことは一度もありません)」と明言。

「My name will not be used in this way.(私の名前をこのように使わないでほしい)」

「I have not endorsed anyone in Korea ever. Mr. Lee is making things up.(私は韓国で誰にも支持宣言をしたことはない。李候補はでっち上げている)」

――と述べました。

さらに『中央日報』などによれば、ロジャースさんは同日のメールでこの宣言を「complete fraud(完全な詐欺)」と呼んで否定した――とのこと。

これに対し、金鎭亨(キム・ジンヒャン)さんは「誤りは文言の確認段階で起きた混乱にすぎず、ロジャース氏の支持そのものは事実」とSNSで主張。

06月02日(月)
『国民の力』はソウルで緊急記者会見を開き、「ロジャース氏が支持したことは一切ない」と報じられていると指摘し、「大国民詐欺劇だ」「国際的に恥ずかしい」と批判。

同日、チャネルAテレビがロジャースさんへの取材を報じ、本人が改めて「この候補者への支持を伝えたことはない」「韓国の誰も支持しない」と電子メールで回答したことを明かしました。

「配布された声明」と「元文」とされる文章を比較しよう

では、05月29日に金鎭亨(キム・ジンヒャン)さんが配布した「ジム・ロジャースさんの李在明(イ・ジェミョン)支持表明」という文章と、後になって金鎭亨(キム・ジンヒャン)さんと宋炅鎬(ソン・ギョンホ)教授が公開した文章を比較してみましょう。

<<これをA文書とします>>

05月29日に公開・配布された文章

“Let’s invest in peace. Let’s invest in the future.

Let’s invest in Korea. So now… The choice is Lee Jae-myung.

As someone who has spent decades investing around the world, I have long believed that the Korean Peninsula represents one of the greatest untapped opportunities of our time.

But for Korea to reach its full potential, peace must be more than a dream—it must become a policy priority.

That is why I strongly support Lee Jae Myung, a leader with the courage and vision to end the era of confrontation and open a new chapter of peace, growth, and global leadership for Korea.

His commitment to reconciliation and long-term stability offers a real path forward—not only for inter-Korean relations, but for unlocking massive economic opportunity.

Peace is not just a political issue. It is an economic strategy.

Ending hostilities on the Korean Peninsula would eliminate one of the core reasons global investors hesitate—what we call the “Korea Discount.”

Peace would mean new markets, increased investor confidence, millions of new jobs, and a surge in the Korean stock market, potentially driving the KOSPI to historic highs.

The Korean people, especially the younger generation, deserve a future that is not trapped in the past.

A peaceful Korea would become a vital hub of trade, finance, and innovation in Northeast Asia.

The choice is clear:
pursue peace and rise, or risk stagnation and decline.

I believe Lee Jae Myung is the leader who can make peace real—not just for Korea, but for the world. I urge all Koreans to support his bold vision.

Let’s invest in peace. Let’s invest in the future. Let’s invest in Korea. So now… The choice is Lee Jae-myung.”

<<以下日本語訳>>
「平和に投資しよう。未来に投資しよう。韓国に投資しよう。

だから今、選択はイ・ジェミョンだ。

私は数十年にわたり世界各地に投資を行ってきましたが、その経験から、朝鮮半島は今の時代における最大の未開拓機会の一つだと長く信じてきました。

しかし、韓国が真の潜在力を発揮するためには、平和は単なる夢以上のものにならなければならず、政策上の最優先課題とならねばなりません。

だから私はイ・ジェミョン氏を強く支持します。

彼は対立の時代を終わらせ、韓国に平和と成長、そして世界的リーダーシップの新たな章を開く勇気とビジョンを持った指導者です。

彼の和解と長期的安定への献身は、南北関係の改善のみならず、巨大な経済的チャンスを解放する真の道筋を示しています。

平和は単なる政治的課題ではなく、経済戦略でもあります。

朝鮮半島で敵対関係が終われば、世界の投資家がためらう主要因の一つである「コリア・ディスカウント」が解消されるでしょう。

平和は新たな市場を生み、投資家の信頼を取り戻し、数百万の雇用創出や韓国株式市場の急騰(KOSPIを歴史的高値へと押し上げる可能性)を意味します。

韓国の人々、特に若い世代には、過去に囚われない未来を享受する権利があります。

平和な韓国は北東アジアの貿易・金融・イノベーションの要衝となるでしょう。

選択は明らかです。

平和を追求し、発展の道を行くか、それとも停滞と衰退の道を甘んじて受け入れるか。私は、イ・ジェミョン氏こそが平和を現実にできる指導者だと信じています(韓国のためだけでなく世界のためにも)。

そして私は韓国国民すべてに対し、彼の大胆なビジョンを支持するよう強く訴えます。

平和に投資しよう。未来に投資しよう。韓国に投資しよう。だから今、選択はイ・ジェミョンだ」

次に、後になって公開された文章です。実際にロジャースさんから受け取ったとされた文章(ウソでした:後述)です。

<<これをB文書とします>>
As someone who has traveled and invested across the world for over five decades, I’ve always believed that opportunities of our time—not just in economic terms, but in shaping the future of Northeast Asia and beyond.

Korea’s remarkable resilience and innovation are well known. But its full potential continues to be held back by unresolved tensions and the lingering shadow of conflict. I believe the time has come for a new chapter—one grounded in peace, stability, and forward-looking leadership.

That is why I recognize the pragmatic approach of Lee Jae Myung, a leader who is focused not on ideology or political distractions, but on serving the enduring national interest—as Lord Palmerston once put it, “nations have no permanent allies or enemes. Lee’s consistent emphasis on reducing geopolitical risks, expanding opportunity, and putting the Korean people first aligns with the needs of this moment.

Establishing peace on the Korean Peninsula is not only a moral obligation—it is a catalyst for growth.

It could eliminate one of the core structural reasons behind the so-called “Korea Discount,” unleashing long-suppressed value in the Korean economy. A peaceful, stable Korea would be a magnet for global investment, innovation, and tourism. It could drive job creation, uplift the younger generation, and push the KOSPI to record levels.

In my view, peace is the best investment Korea can make—for itself and for the world. The path to lasting prosperity is not through confrontation, but through strategic cooperation and a steady hand.

I encourage the Korean people, especially the younger generation, to look toward a future shaped by pragmatism, stability, and shared prosperity. The the world is watching, and the potential is extraordinary.

— Jim Rogers: International Investor and Author, Quand

<<以下 日本語訳>>

私は、過去50年以上にわたり世界を巡り投資を行ってきた者として、経済的な側面だけでなく、北東アジアやその先の未来を形作るという意味においても、今の時代における最も大きな機会が存在すると常に信じてきました。

韓国の驚くべき回復力と革新力は広く知られています。

しかし、その真の潜在力は、未解決の緊張と対立の影により、いまだ抑え込まれたままです。私は、平和・安定・未来志向のリーダーシップに基づく新たな章を開く時が来たと信じています。

だからこそ私は、イ・ジェミョン氏の実利的なアプローチを評価しています。彼はイデオロギーや政治的雑音ではなく、永続的な国益のために尽力するリーダーです。

パーマストン卿がかつて述べたように、「国家には永遠の同盟国も敵国もない」のです。イ氏は一貫して地政学的リスクの低減、機会の拡大、そして韓国国民を最優先することを強調しており、これはまさに今の時代のニーズに合致しています。

朝鮮半島に平和を確立することは、単なる道徳的義務にとどまりません。

それは成長の触媒となり得るのです。いわゆる「コリア・ディスカウント」の背後にある主要な構造的要因を取り除き、韓国経済に長らく抑え込まれてきた価値を解放することができます。

平和で安定した韓国は、世界中の投資、革新、観光を引き寄せる磁石となり、雇用を創出し、若い世代を引き上げ、KOSPI(韓国総合株価指数)を史上最高水準へと押し上げる可能性があります。

私の考えでは、平和こそが韓国にとって、そして世界にとって最良の投資です。持続的な繁栄への道は、対立ではなく、戦略的協力と着実な手腕によって開かれるのです。

私は韓国の人々、特に若い世代に、実利、安定、そして共有された繁栄によって形作られる未来を見据えるよう呼びかけたいと思います。世界は見ています。その潜在力は計り知れません。

— ジム・ロジャース:国際投資家・著述家

いかがでしょうか。まったく違いますね。

だから今、選択はイ・ジェミョンだ
だから私はイ・ジェミョン氏を強く支持します

などの文は元(文書B)はなかったのに、後から付け加えています。明らかに李在明(イ・ジェミョン)さんの有利になるよう捏造したのです。

なぜこんなことになったのか、そもそもこの元文とされる「文書B」はロジャースさんが作成したものなのでしょうか?

「会長に依頼されて私が初校を作った」という話

これについては『アジアトゥデイ』が調べて経緯を記事にしています。以下に同記事から一部を引用します。

ジム・ロジャース会長による李在明(イ・ジェミョン)『共に民主党』大統領候補支持宣言騒動に関連し、会話履歴(WeChat)が公開された。この履歴によると、ジム・ロジャース会長は李候補を「支持する」という初稿には難色を示し、「注目している」という修正版に同意したことが分かった。

金鎭亨(キム・ジンヒャン)元開城工業団地管理委員長・宋炅鎬(ソン・ギョンホ)教授らは02日、論争になっているジム・ロジャース会長の李候補支持宣言騒動について「(ロジャース会長が李在明を支持したのは:引用者注)事実だ」とし、このような会話履歴を公開した。

宋教授は「『平壌科学技術大学』でボランティアをしていた英国籍の宋教授だ。急きょ行われる大統領選を前に、ジム・ロジャース会長と最近WeChatでのやり取りを始めた」と述べ、

「この過程で、李候補が当選すればわれわれの共同目標である対北投資の機会へのアクセス性が高まることに同意した。

会長は私に、李候補支持のための初稿作成を依頼し、2度ほどの修正を経て最終稿を作り上げた」と明かした。
(後略)

⇒参照・引用元:『アジアトゥデイ』「짐 로저스 李지지 소동…대필된 초안 ‘지지’ 내용에 분명한 난색 표했다」

金鎭亨(キム・ジンヒャン)さんと宋炅鎬(ソン・ギョンホ)教授は、ロジャース(会長)から依頼されて李在明(イ・ジェミョン)さん支持のための声明の初校を作った――と述べました。

つまりこうです。

宋炅鎬(ソン・ギョンホ)教授は、李在明(イ・ジェミョン)さんが大統領に当選したら、「北朝鮮への投資がしやすくなるから」とロジャースさんに接触し、李在明(イ・ジェミョン)さんを推すという文章をロジャースさんから出してくれ――ともちかけた。

ロジャースさんからは「初校を作ってくれ」と頼まれたので、作成した。

しかし、ロジャースさんは初校に難色を示したので、修正して第2校を作った。これが文書B。

このときの経緯について、『アジアトゥデイ』の記事から以下に引用します。

(前略)
その後、同じ日に修正版の初稿がジム・ロジャース会長に送られた。

問題となり得る李候補への直接的な支持内容は抜かれた。

修正版初稿を見てみると、「李候補の実用的なアプローチに注目している」「リーダーシップを示している」「国益のみが存在するという原則とも通じる態度だ」といった、節度ある表現に抑えられていた。

これにジム・ロジャース会長は「ありがとう。この内容は良い」と同意した。
(後略)

――で文書Bができたのですが、これに「李在明(イ・ジェミョン)を強く支持する」などの文を加えて文書Aを捏造。

ロジャースさんが見てもいない文書Aを公開、配布したのです。

無茶苦茶です。

大統領候補が「ウソつき」なら「支持者もウソつき」

しかし、もう1点気になるポイントがあります。

ロジャースさん自身が述べているとおり「私は誰も支持しない」と否定しているのです。李在明(イ・ジェミョン)さんを支持するという声明の「初校」を頼んだりするでしょうか?

『アジアトゥデイ』は記事の結びに――、

ジム・ロジャース側関係者は「会長は初稿作成のようなことを依頼するような方ではない」「そんなことはあり得ない。自作自演だ」とはっきり述べた。

――と書いています。

李在明(イ・ジェミョン)というのは、その場しのぎでウソばかり言う天性のウソつきですが、その支持者というのも、このようなウソつきなのです。

まさに「類は友を呼ぶ」ですが、韓国人はこのようなウソつきに支持されるウソつきを大統領にするのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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