金利が安いとはいえ「銀行にお金を預けておけばとりあえずは安心というのが普通の人の気持ちですね。現金を全部自宅に置いておくわけにはいきませんからね。銀行にはお金がうなるほどあるわけですが、銀行の貸し出し金額、預金額の増減が発表されているのをご存じでしょうか?
『一般社団法人 全国銀行協会』がまとめた2017年5月31日時点で、全国銀行の「預金」「貸し出し金額」のデータは以下のようになっています。
●全国銀行の実質預金「715兆341億円」
前月比:1兆3,223億円(0.2%)の増加
前年同月比:30兆4,917億円(4.4%)の増加
●全国銀行の貸し出し金額「476兆9,864億円」
前月比:3,790億円(0.1%)の減少
前年同月比:11兆8,946億円(2.6%)の増加
⇒データ出典:『一般社団法人 全国銀行協会』「全国銀行預金・貸出金等速報」
まず預金ですが、前月比で0.2%の増加、前年同月比で4.4%の増加といい感じで増えています。「お金が増えている人が多いんだ。うらやましいなぁ」と思われるかもしれませんが、企業も銀行にお金を預けていますので、この増加は企業の業績好調と関連していると思われます。多くの識者が指摘するとおり、日本経済のモメンタムは決して悪くはないのです。
さて、預金の増加よりも気になるのは「貸し出し金額」の方ではないでしょうか。銀行から借りたお金は何かに使われるわけですから、貸し出し金額が増加することは投資(消費も)が上向きになっていることを意味します。
同協会の公表しているデータによれば、都市銀行(大手5行)の貸し出し金額は2016年7月から2017年3月まで、前年同月と比べてマイナスだったのです。都市銀行の貸し出し金額が前年同月比較でプラスに転じたのは2017年4月。今回の発表でもプラスでしたので2カ月連続ということになります。貸し出し金額がこの後も増加していくのであれば、昨年よりも景気は良くなっているのかなぁ……という気持ちになりますが、果たしてそれを実感できるのでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)