老後の資金をつくるために、かつての日本は銀行、郵便局へ貯金というのが一般的でした。昭和の高度成長期には預金金利が高かったので貯金しておくだけでも十分なリターンを得ることができたのです。しかし、その高金利は当然ながらずっとは続きませんでした。
預金金利はみるみるうちに下がり、現在でもまったく回復していないのはご存じのとおりです。老後資金をつくるために公的な厚生年金制度がありますが、その一方で2001年(平成13年)から登場した私的な年金制度が「確定拠出年金」です。
※ちなみに平成13年の銀行預金金利は0.02%
⇒データ出典:総務省統計局「主要金利水準(昭和21年~平成16年)」
当時は「401k」と呼称されることが多く、ニュースなどでもそのように取り上げられていました。現在では、401kよりも「確定拠出年金制度(Defined Contribution Plan)」あるいは略称「DC」と呼ばれることが多いですね。
この401kという名称はアメリカ由来。1981年にアメリカで導入された企業年金プラン、確定拠出年金制度のうち最も有名なもので、税制優遇が定められた内国歳入法第401条k項からこのように呼ばれます。401条k項は「所得税の繰り延べ」を定めたもので、この要件を満たしてつくられた年金制度を401kプランと呼ぶようになったのです。
※正確には401条a項を満たした税制適格な確定拠出年金で、かつk項の要件を満たしたものを401kプランと呼びます。
401kは公的年金の不足分を補充するために生まれたものですが、その後加入者が増加し大きく発展していきました。日本では、預金金利が下がりとても貯金だけでは老後の資金が調達できない、とみなされ(またアメリカのゴリ押しもあって)導入された経緯があります。
当時は「黒船」なんて表現もあったのですが、現在ではDCと呼ばれるようになったこの制度も、十分には活用されていないのが現実ではないでしょうか。資産運用についてのリテラシーがまだ十分ではない日本では、まずDCについての知識を深めることが必要なのかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)