皆さんは、貧富の格差の大きい国と聞くとどんな国をイメージしますか? やはりアフリカや南米辺りを思い浮かべると思いますが、実際どうなっているのでしょうか。また先進国ではどうなっているのか、今回は世界の「格差のひどい国」について調べてみました。
■日本も意外と高い? 世界各国のジニ係数
国の貧富の差、つまり所得格差を表す数値にジニ係数というものがあります。これは1936年にイタリアの統計学者コッラド・ジニが考案したものです。ジニ係数は0-1の間で表示され1に近いほど格差が大きいとなります。また、0.4以上になると社会騒乱が多発する可能性があるとされています。
今回は、アメリカのCIA(中央情報局)の『The World Factbook』に記載されている世界各国のジニ係数から、2000年以降の調査の数値が高い国と低い国のそれぞれ上位20カ国を紹介します。CIAの数値はジニ係数を%表示したものですので、100に近いほど格差が大きくなり、また「社会騒乱が多発する可能性のある警戒ライン」は40になります。
●ジニ係数の高い国TOP20
1位 南アフリカ……63.1(2005年)
2位 ナミビア……59.7(2010年)
3位 ハイチ……59.2(2001年)
4位 ホンジュラス……57.7(2007年)
5位 ザンビア……57.5(2010年)
6位 コロンビア……55.9(2010年)
7位 グアテマラ……55.1(2007年)
8位 香港……53.7(2011年)
9位 パラグアイ……53.2(2009年)
10位 チリ……52.1(2009年)
11位 パナマ……51.9(2010年)
同11位 ブラジル……51.9(2012年)
13位 スワジランド……50.4(2001年)
14位 コスタリカ……50.3(2009年)
15位 ジンバブエ……50.1(2006年)
16位 スリランカ……49.0(2010年)
17位 エクアドル……48.5(2013年)
18位 メキシコ……48.3(2008年)
19位 ペルー……48.1(2010年)
20位 マダガスカル……47.5(2001年)
※年は調査年
予想どおりといいますか、貧富の格差の大きい国はアフリカ大陸や中南米に多いということになっています。しかも20位まで全て40%超え。いつ社会騒乱が起きてもおかしくないということでしょう。ちなみにCIAが定める経済先進国の中で一番ジニ係数が高いのはアメリカで、数値は45.0。アメリカは貧富の差が大きいとされていますが、それを裏付けるデータといえますね。
●ジニ係数の低い国TOP20
1位 スウェーデン……23.0(2005年)
2位 スロベニア……23.7(2012年)
3位 モンテネグロ……24.3(2010年)
4位 ハンガリー……24.7(2009年)
5位 デンマーク……24.8(2011年)
6位 チェコ……24.9(2012年)
7位 ノルウェー……25.0(2008年)
8位 ルクセンブルク……26.0(2005年)
同8位 スロバキア……26.0(2005年)
10位 オーストリア……26.3(2007年)
11位 フィンランド……26.8(2008年)
12位 ドイツ……27.0(2006年)
13位 マルタ……27.1(2012年)
14位 ベラルーシ……27.2(2008年)
15位 ルーマニア……27.4(2011年)
16位 アイスランド……28.0(2006年)
同16位 ベルギー……28.0(2005年)
18位 ウクライナ……28.2(2009年)
19位 スイス……28.7(2012年)
20位 カザフスタン……28.9(2011年)
※年は調査年
貧富の差が小さいという国はこうなっています。ヨーロッパの国々、特に北欧の国が上位に多く入っていますね。また、東欧の国もいくつも入っていますが、大きな騒動のあったウクライナの数値は、今は変わっていると思われます。
ジニ係数の高い国、低い国どちらにも日本は入っていませんでしたが、CIAの2008年の調査によると、日本のジニ係数は37.6。危険なラインまであと一歩と迫ってしまっていました。
ジニ係数が気になる国があればぜひ調べてみてください。特に昨今マーケットが注目されるアジア圏などは、意外なヒントがあるかもしれませんよ。
データ引用:CIA『The World Factbook』
(中田ボンベ@dcp)