買収話が流れて債権団管理になった韓国『アシアナ航空』にとうとう「基幹産業安定基金」から2兆4,000億ウォンを突っ込むことが決まり――さあ文在寅大統領肝いりの「基幹産業安定基金」にお金はあるのでしょうか?という事態になっていました。
この流れに、韓国LCC(格安航空会社)最大手『済州(チェジュ)航空』も加わるようです。
『済州航空』は『イースター航空』の買収を「やめた!」と反故にして実質破綻に追い込んだ企業ですが、ここにきて自身の経営も切羽詰まったようです。同社はまだ基幹産業安定基金に申請は行っていませんが、債権団の主力である『輸出入銀行』は必要資金を「1,700億ウォン」と計算しています。
『済州航空』が支援対象と認定されると、『アシアナ航空』に続いて「基幹産業安定基金」の支援第2号となります。
話はこれで終わらず、韓国最大手の『大韓航空』も支援要請の準備中とのこと。『毎日経済』の記事によれば支援要請規模は「1兆ウォン」とのこと。
韓国の航空会社は資金ショートに直面しているというわけです。
しかし、企業からするとあまり「基幹産業安定基金」のお世話にはなりたくないのです。というのは、
国策銀行の資本が入り株主になる
従業員(給与2億ウォン以上)の報酬凍結
配当・自社株買い禁止
ローンの金利が5-7%と高い
etc
の条件が厳しいからです。特に「金利」が問題で、本件を報じた『毎日経済』によると以下のようになります。
(前略)
企業をサポートする際に『産業銀行』で資金を調達する金利が1〜1.5%程度なのに高すぎるという指摘だ。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「基幹産業基金、済州航空に1千700億支援」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
韓国は現在史上最低の金利「0.5%」ですから、企業からすれば「5-7%」というのは確かに高すぎるでしょう。
ここまで来ましたので、40兆ウォンを号してきた「基幹産業安定基金」に本当にお金があるのかも注目ポイントです。国策銀行『産業銀行』『輸出入銀行』が肩代わりする、というのでなければいいですね。
(吉田ハンチング@dcp)