オーストラリアと中国の遺恨は深まるばかりです。両国の軋轢(あつれき)は、オーストラリア側が中国は「世界的なパンデミックを起こした原因究明のために世界から調査団を受け入れるべきだ」と発言したことに端を発しているといわれます。
中国はオーストラリアからの非難で面子を潰されたとして、オーストラリアからの輸入品品目について以下のような嫌がらせを行ってきました。
(反ダンピング保証金107.1-212.1%を課す)
・石炭の輸入停止
(中国内の火力発電所は調達先を他国にするよう指示を受けている)
・牛肉の輸入制限
(禁止薬物が検出されたと公表)
・砂糖の輸入制限
・木材の輸入制限
・銅鉱石・銅精鉱の輸入制限
・ロブスターの輸入制限
・大麦に関税の上乗せ
(80.5%上乗せ)
etc.
陰湿極まりないやり口ですが、さすがにオーストラリアも堪忍袋の緒が切れました。2020年12月16日、オーストラリアのバーミンガム貿易相は、「中国の大麦への高率の関税を課すことは不当措置」としてWTO(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)に提訴することを明らかにしました。
これに対して中国はまさに「逆ギレ」と呼ぶべき態度を取っています。
中国のあの汪文斌(おうぶんひん)外務省報道官は定例記者会見で「オーストラリア政府は中国の懸念を真剣に受け止め、中国企業に対する差別的慣行を是正するための具体的な行動を取るべき」などと述べています。
また、中国共産党の英語版御用メディア『Global Times』の記事では、中国人民大学の上級研究員が以下のように述べています。
(前略)
「さらに、ジョー・バイデンがアメリカ合衆国大統領に就任するため、『ファーウェイ』(華為技術:Huawei)の5Gを禁止するなど、オーストラリアが中国を差別し続ければ、オーストラリアが合衆国からの支持を獲得するかどうかを判断するのは難しい」と周氏は警告した。⇒参照・引用元:『Global Times』「Data shows Australian barley exports to China were dumped; experts say Australia to lose WTO case」
本稿の主旨と直接関係はありませんが、この研究員はバイデンさんを中国の味方だと見ているようです。
(吉田ハンチング@dcp)