なんといいますか、噴飯ものの主張というか、気持ちは分かりますが……という話です。
まず、以下のKOSPI(韓国株式市場)の買い越し・売り越しデータをご覧ください(2020年12月24日~2021年03月24日10:00)。
この3カ月で韓国の「年金基金(など)」は「15兆5,338億ウォン」も売り越しています。左端の個人投資家は「36兆8,051億ウォン」も買い越しており、これもいかがなものか、ですが、こちらは連日ご紹介していますので今回は置いておきます。
この年金基金(代表的なものは「国民年金基金」)の莫大な売り越しが、韓国内で一部から問題視されています。
この売り越しがなけれな韓国株式市場はもっと上がっているはずだ、という主張です。
以下をご覧ください。KOSPIはコロナ禍で03月末に天底をつけた後、急速に回復し、現在は天井圏から徐々に下落しつつあります(ヨコヨコかもしれませんけれども)。
年金基金が売らなきゃもっと上がるんじゃないか、と非難したくなる気持ちは分からないでもありませんが。
なぜ年金基金がこれほど巨額を売り越しているかというと、リバランスの規定があるからです。
「卵は一つのカゴに盛るな」の金言に則って、投資先を分散させており、例えば韓国の国民年金基金の場合には、2021年末には全資産におけるKOSPIの割合を「16.8%」に合わせなければなりません。
2020年末にはこれが「21.2%」になり、そのため売り続けているのです(2020年12月24日から2021年03月11日まで51日間売り越しを続けた)。
で、非難の声はこのリバランスシステムにも向いています。投資家の非難に恐れをなしたのか、国民年金基金は03月26日「リバランスシステムの検討会」を開催するというのです。
韓国メディア『毎日経済』の記事によると「韓国内株式の比率を20%前後に拡大する」とのこと。「ポートフォリオ」をなんだと思っているんだという話ですが、実に韓国らしい流れではあります。
年金基金が大量の資金を投入した後に暴落が来たらどうするつもりなのでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)