韓国メディア『聯合ニュース』が、対日赤字が拡大し、赤字の規模が2019年「NoJapan運動」より前の水準に戻りつつある、という記事を出しました。
Money1では何度かご紹介していまが、韓国は日本との貿易で赤字続きです。少なくとも1988年以降で黒字になったことは一度もありません(データ出典は『日本国 財務省』統計)。
直近2010年~のデータを見ると以下のようになります。
ご覧のとおり、韓国の対日貿易のもうけ(輸出 - 輸入)は全て「0」より下にあり赤字です。
韓国メディアが2019年に対日赤字が減ったといっているのは、「-192億ドル」(約-2兆1,249億円)となったことです。これが2020年には「-209億ドル」(-2兆3,130億円)となり、赤字がまた拡大しました。
「NoJapan運動」の効果は1年しか持たなかったというわけです。
韓国の輸出が拡大すればするほど対日赤字も大きくなる
韓国にとって問題は、2021年に入って対日赤字がさらに拡大していることです。韓国メディアはこれを憂慮しています。
韓国の関税庁のデータによれば、
対日輸出:117億ドル(約1兆2,948億円)
対日輸入:217億ドル(約2兆4,015億円)
貿易収支:-100億ドル(約-1兆1,067億円)
となっています。5カ月で2020年の赤字額のほぼ半分に達していますので、焦るのも無理はないかもしれません。
対日赤字が増える原因は、韓国の輸出が拡大しているためです。韓国は輸出用の製品を作るために日本製の中間財を必要とします。韓国の輸出が大きくなればなるほど、対日赤字も拡大するという構造になっているのです。
このような構造を指して「韓国は日本の鵜(う)である」といった、若干意地悪な言い方がされます。
しかし、韓国の輸出産業を支えているのは日本企業が提供する中間財である、という言い方もできるわけで、対日赤字が増加したと嘆くのではなく、日本企業と共存共栄を果たしていると考えてみてはいかがでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)