韓国ではワクチンがうまく確保できず、接種が思うように進行していないといわれます。これに危機感を抱いた韓国政府が交渉したのでしょう、なんとイスラエルからワクチンが提供されることになりました。
メディアでは「ワクチンスワップ」などと書かれていますが、これは在庫の貸し借りのようなものです(後述)。
先に韓国で議論されていた虫のよすぎる話がイスラエル相手に通ったわけではありません(少なくともイスラエルメディアによれば)。
イスラエルが在庫のワクチンを韓国に提供する
イスラエルは読者の皆さんもご存じのとおり、国民のワクチン摂取率が最も高い国です。確保しすぎて消費期限が迫っているワクチンを他国に提供する動きに出たわけです。で、韓国にも提供してあげようとなったと。
↑韓国へのワクチン提供を報じるイスラエルメディア『Haaretz』の記事
上掲の『Haaretz』は「イスラエルは韓国とワクチンを交換する協定に署名」という記事ですが、
イスラエルと韓国の合意に基づき、月末に消費期限切れとなる約70万個のワクチンが数日中に韓国に届けられる。イスラエルは、2021年の第4四半期に同数のファイザーワクチンを受け取ることになる。
と書いています。
ただし、韓国が「ワクチンスワップ」と称していた「先に提供を受けて、ワクチンの製造技術の提供を受けた後に韓国が製造して返す」という虫のいいものではありません。
韓国がファイザーに注文していたワクチンが2021年第4四半期に届くはずなので、これをイスラエルに返却するという取引です。
ですから、いわばワクチン在庫の融通です。今どうしても必要な韓国がイスラエルが持つ在庫を貸してもらったのです。
『Haaretz』は以下のように書いています。
(前略)
厚生省は昨夜(火曜日)、約70万個のコロナワクチンを移管する協定に署名した。ワクチンは月末に韓国に移管され、予防接種は、数日中に有効になる。これは、イスラエルが2021年の第4四半期に韓国政府が注文した中から同数のファイザーワクチンを受け取るという回転取引だ。
合意に関与した情報筋によると、この動きはファイザーの承認を得て行われた。
(後略)
回転取引というか、前記のとおり在庫の融通みたいな話なのです。
確か批判していませんでしたか
確か、韓国メディアでは日本が台湾に送ったアストラゼネカ製ワクチンを「消費期限切れ寸前」などと批判していたはずなのですが……。自分が送ってもらう分についてはイスラエルを批判しないのでしょうか。この態度はダブルスタンダートといえるのでは……。
(吉田ハンチング@dcp)