景気の状態を判断するための有力なINDEX(指標)として「LEI」があります。「LEI」は識者によっては非常に信頼性の高いものとされます。ですので、景気状態の判断は他の単一指標やサイン、例えば「逆イールドカーブの発生」などを見て反射的に行うのではなく、まず「LEI」を確認してみるのが良いのです。
「LEI」は、The Conference Board Leading Economic Index(R)のことを指し、日本語では「景気先行指数」といわれます。これは民間の調査期間(シンクタンク)である『The conference Board(カンファレンス・ボード)』が、以下の10要素から独自に算出しているINDEX(指標)です。
1.Average weekly hours, manufacturing
(製造業における週平均の労働時間)
2.Average weekly initial claims for unemployment insurance
(新規失業保険受給申請者数の週平均)
3.Manufacturers’ new orders,consumer goods and materials
(メーカーが新規受注した消費財)
4.ISM(R) Index of New Orders
(ISM製造業景気指数の新規受注)
「ISM」とは「Institute for Supply Management」の略で「サプライ管理協会」のこと。同協会が製造業者約350社の購買担当役員にアンケート調査を実施して独自の「景気指数」を算出しています。
5.Manufacturers’ new orders,nondefense capital goods excluding aircraft orders
(メーカーが新規受注した航空機を含む資本財(非防衛産業))
6.Building permits, new private housing units
(新規に許可された個人の住宅建築の件数)
7.Stock prices, 500 common stocks
(普通株500種の株価)
8.Leading Credit Index(TM)
(先行信用指数)
Leading Credit Indexは「LCI」と略されるINDEX(指標)で、上記のとおり「先行信用指数」などと訳されます。『カンファレンス・ボード』が独自に計算・発表しており、「資産バブルの崩壊や信用危機の発生という非伝統的な『景気後退メカニズム』を総合的に把握するため」※に作られました。
9.Interest rate spread,10-year Treasury bonds less federal funds
(FF金利と米国10年債利回りとの差、長短金利差)
10.Average consumer expectations for business conditions
(消費者の景気への平均期待値)
「LEI」が信頼性が高いとされるのは、このような10個のコンポーネントを基に算出されているからなのです。
⇒『THE CONFERENCE BOARD』「Global Business Cycle Indicators」
https://www.conference-board.org/data/bcicountry.cfm?cid=1
※引用元:『みずほ総合研究所』「リサーチTODAY 2012年10月16日」
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt121016.pdf
(柏ケミカル@dcp)