2018年にエルドアン大統領の主導する無茶な金融政策のおかげで通貨安街道を驀進し、「すわデフォルトか!」と世界中の注目を浴びたトルコですが、今またトルコの通貨である「トルコリラ」が無茶苦茶なことになっています。
トルコリラのオーバーナイト物スワップ金利が03月27日には、なんと「1000%」になったのです。
なぜ、こんなことになっているかといいますと、トルコ当局が「トルコリラ暴落阻止」に必死になっているためです。昨年、2018年末からトルコの経済指標は悪化していましたが、2019年03月にはこれがより鮮明となりました。
これを見てとったヘッジファンドはトルコリラから逃げ出すことを画策。ショートに転じました。これがさらに進行すると……当然「通貨安」です。これを阻止するためにトルコ中央銀行はオーバーナイト物スワップ金利を極端に上げたのです。
「オーバーナイト物スワップ金利」はお金(この場合はトルコリラ)を調達する際のキーファクター。これが上昇すると、お金の調達コストが上がります。調達コストが上がるということは取り引きのコストが上がるということです。
つまり、トルコ中央銀行はトルコリラの調達コストを極端に上昇させ、空売りを思いとどまらせる手を打ったわけです。そのため、現在市場ではトルコリラが枯渇しているようです。仕方がないので、ヘッジファンドはトルコリラを調達する目的でトルコの株式、債券を売っているとのこと。おかげでトルコの株式市場は大暴落しています。
イギリス中央銀行がジョージ・ソロスさんのヘッジファンドに膝を屈した例があるように、ヘッジファンドから通貨を防衛するのは並大抵のことではありません。さて、トルコの無茶な防衛策はうまくいくでしょうか?
(柏ケミカル@dcp)