通貨安の進行で危険視されているトルコですが、この危機に際してエルドアン大統領は05月14日に有力な機関投資家を招いて自国の経済政策についての説明会を開きました。
そこまではまあいいのですが、エルドアン大統領は「金利引き下げ」を目指しながら「物価上昇と通貨安に歯止めをかける」というのです。
Money1でもお伝えしましたが、トルコではインフレが進行中です。トルコという国は、2004年以降なんとか年間のインフレ率を一桁台に抑えてきたのですが、2017年にはついに11%となり、2018年もここまではじわじわと上昇しています。
インフレの状況では「利上げ」を行う
のが通常の、というか当たり前の金融政策です。インフレでは物の価値が上がるわけですから、それに対抗するためにはお金の価値を上げなければなりません。そのためには市場に出回るお金を抑えることが求められ、つまり「利上げ」が必要なのです。
利上げが行われるとお金を借りることに躊躇しますね。また、利子が上がらないうちにお金を返そうという動きも起こります。それが歯止めになってお金が市場に出回るのを防ぐのです。
ですから、物価が上がっているインフレ時(また近い将来にインフレが起こると判断できる場合)には利上げを行って、物価の上昇を抑えるようにしないといけません。
ところが! エルドアン政権の目指すのは「利下げ」だというのです。説明会に参加した機関投資家は「衝撃を受けた」そうですが、そりゃそうでしょう。お金のプロたちからすれば、トルコ政権が完全に常軌を逸したとしか考えられません。
大統領に知らせますか?
あなたはおかしい、と。
(柏ケミカル@dcp)