大変迷惑なことに北朝鮮が盛んにミサイルを発射しております。
北朝鮮・金正恩総書の行動は「脅迫者のセオリー」に沿ったものです。脅迫者が脅迫者として認められるためには、ある程度脅迫を(相手側が決定的な行動を起こさない範囲内で)実行して見せなければなりません。
つまり、「あいつはやるヤツだ」と思わせ続けなければならないのです。それができなくなった時点で脅迫者たる資格を失うのです。
この脅迫者の行為に対して韓国は実質的に何もしていません。さすがに韓国メディアでも「遺憾と発言するばかりじゃないか」と非難する記事が出ています。
中距離弾道弾発射か?の事態に……
2022年01月30日、27日に続いて北朝鮮が日本海にミサイルを発射。発射されたのは中距離弾ミサイル以上のものだった――とされています。
日曜日なので、韓国の青瓦台・大統領府がプレスリリースを出していませんが、北朝鮮のミサイル発射に対して、2022年01月30日午前中に文在寅大統領が国家安全保障会議(NSC)緊急全体会議を招集した、とのこと。
韓国メディア『毎日経済』から文大統領の言葉を引きます。
(前略)
文大統領は「北朝鮮は緊張づくりと圧迫行為を中断し、韓米両国をはじめとする国際社会の対話提議に応じるよう促す」とし「固い米韓同盟の下に関連動向を綿密に注視し、米韓の緊密な協議下で対応措置を取るだろう」と明らかにした。
(後略)
アメリカ合衆国軍を朝鮮半島から撤退させようとしていた文大統領とは思えない発言です。また、
(前略)
「北朝鮮はこれまで対話の意志を表明しながら核実験、大陸間弾道ミサイル発射猶予宣言を守ってきたが、中距離弾道ミサイルを発射したら、モラトリウム宣言を破棄するのに近づいたと考えられる」
(後略)※データ引用元は同上
と述べたとのこと。北朝鮮は、文大統領が推進してきた「朝鮮戦争の終戦宣言」には全く乗らない態度を続けています。
発射したのが中距離弾道弾であれば、世界はモラトリアム破棄と見なすでしょう。世界から北朝鮮への圧力はさらに高まるでしょうが、文政権がその圧力に参加するのかは大変に怪しいのです。
なぜなら現在の韓国の安保会議のメンバーというのが……。
安保会議の主要メンバーが親北の人ばかりではないのか
韓国の「国家安全保障会議(NSC)」のメンバーというのがくせ者です。
30日に先立つ、2022年01月27日に開催された、同じく緊急会議のメンバーは、
(前略)
本日の常任委には、徐薫安(ソ・フン)国家安保室長をはじめ兪英民(ユ・ヨンミン)大統領秘書室長、鄭義溶外交部長官、李仁栄(イ・イニョン)統一部長官、徐旭(ソ・ウク)国防部長官、朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長、元仁哲(ウォン・インチョル)合同参謀議長、徐柱錫(ソ・ジュソク)国家安保室第1次長、尹昌烈(ユン・チャンニョル)国務調整室第1次長などが出席した。⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「NSC常任委員会緊急会の開催結果」
となっています。この人たちを見ると、
北朝鮮新浦軽水炉建設のための朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)事業当時、北朝鮮錦湖事務所現場事務所長として1997年から2年間北朝鮮に常駐。北朝鮮の金正日総書記と最も対面した回数の多い韓国人とされる人物。
・鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官
「北朝鮮が開発しているミサイル能力は、私たちの安全保障にとって非常に重大な脅威になるとは思わない」と発言したことがある人物。基本姿勢は親中・親北。
・李仁栄(イ・イニョン)統一部長官
1987年には高麗大学総学生会長として大統領選挙直線制争取のための学生運動を導いた人物。学生運動上がりの政治家で文在寅さんのシンパ。「過去の若い時代には自主的な国を渇望して米韓間の不平等関係などに不満があったのも事実」と述べ、「主体思想の持ち主ではないか」と質問されたことがある。基本姿勢は反米・親北。
・徐旭(ソ・ウク)国防部長官
2021年10月23日の北朝鮮によるSLBM発射、2022年1月5日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について、「挑発」ではなく「脅威」と表現したことがある。南に撃ったのでなければ「挑発ではない」としたことになる。
・朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長
金大中さんの後援者だった人物。金大中大統領の葬儀の際には、北朝鮮側から花輪が贈られその受取人として名前が明示された2人のうちの一人。北朝鮮への違法送金について関連していた。北朝鮮中枢と個人的に連絡がつくラインを持っていると目される。基本姿勢は親北。
・徐柱錫(ソ・ジュソク)国家安保室第1次長
国防研究院で北朝鮮軍事部門を専門に研究していた。青瓦台・大統領府から「理論と実務を兼ね備えた安保専門家で国防改革を強力に推進する適任者」と評された人物。つまり、親北の文政権から適任とされたことになる。
といった方々です。
親北の文政権の安保会議メンバーなので、当然といえば当然ですが、とても北朝鮮に厳しい結論を出すとは思えません。つまり、対北という意味で韓国は全くアテになりません。
(吉田ハンチング@dcp)