韓国はいろんな「○○不足」に陥る国ですが、今度は自動車のワイヤーハーネス(Wire Harness)不足です。
不足のためにすでに自動車の減産に至っています。
ワイヤーハーネスというのは、「機器の動力となる電力と機器制御を行う電気信号を伝える役割を持った部品の集合体」と説明されます。簡単にいえば「電線の束」です。
例えば『SWS西日本株式会社』は以下のように説明していらっしゃいます。
現在では自動車は電子デバイスの固まりのようになっており、電源供給、通信のためのワイヤーは非常に重要なパーツなのです。
実は、韓国で生産される自動車のワイヤーハーネスはほぼ中国に依存しています(統計によって幅はありますがほぼ6割:後述)。
読者の皆さまもご存じのとおり、中国では感染の再拡大が起こっており、(よせばいいのに)都市封鎖を行うものですからワイヤーハーネスが入ってこない状況になりました。
すでに『現代自動車』グループはワイヤーハーネス在庫の枯渇が見えており、工場では減産体制に入りました。韓国メディアの報道から引用すると以下のような具合です。
(前略)
今回一番最初に打撃を受けたのは『起亜自動車』華城工場だ。起亜スポーツユーティリティー車両(SUV)である「ソレント」と「モハビ」は、今月18日からワイヤーハーネスの在庫がなくなったと伝えられた。「ソレント」は昨年だけで6万9,934台が売れた起亜人気車種だ。
(中略)
『現代自動車』も今週から減産に入った。
蔚山2工場で生産する「ジェネシス」GV60・GV70・GV80などがいずれも約30%ずつ減算を始めた。
『現代自動車』の事情をよく知る業界関係者は「『パリセード』『アバンテ』『ポーター』などほぼ全ての車種が今週から追加減算を行った」と話した。
ワイヤーハーネスはかさばり、在庫を積み重ねておくのも難しく、1週間ほどの在庫分だけ確保しておくという。
(後略)
韓国の自動車産業がワイヤーハーネス不足で減産になるのは二度目です。
2020年初頭、コロナが影響を大きくし、中国で都市封鎖が始まったころ、同じようにワイヤーハーネスが入ってこなくなって韓国自動車メーカーが生産に支障を来したことがあるのです。
ですから、「またかよ」という話なのですが、当時の中国依存度はなんと90%前後もありました。
中国依存度を約6割まで下げたにもかかわらず、また起こったのです。
『双竜自動車』は中国山東省の企業からワイヤーハーネスの供給を受けており、状況を注視しているとのこと。『韓国GM』と『ルノーコリア』は東南アジアからの供給なので影響は軽微としています。
それにしても二度目ですから、危機管理が甘いといわれても仕方ないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)