どうして韓国はスイスの『国際経営開発研究所』(International Institute for Management Development:略称「IMD」)が公表する国家競争力ランキングにそれほどこだわるのだろうかと、各先生方のいろんな本をひっくり返して見ていたのですが……池東旭先生の著作の中に興味深い一節を見つけたのでご紹介します。
以下をご覧ください。
(前略)
スイスの世界経済フォーラムは九三年、韓国の国際競争力を新興工業国十五カ国中十一位と評価した。(中略)
評価基準として取り上げられた行政規制の程度、国内企業の保護水準、文化開放など、ほとんどの分野で韓国は最下位だった。
外国資本の進出基準はコスト、投資環境、進出先の快適度がカギだ。
韓国はそのどれをとっても他の国に劣る。
(後略)⇒参照・引用元:『新版 軍服を脱いだ韓国 気になる隣人』著:池東旭,時事通信社,1994年09月20日新版,p79
池東旭先生のこの本は1994年の本ですが、ここで登場する「世界経済フォーラム」(世界経済フォーラム)は現在「ダボス会議」と呼ばれているものです。この本で取り上げられているのは、『IMD』のものではなく、「世界経済フォーラム」の出している「Global Competitiveness Report(世界競争力報告)」ですが、ランキングが低いと嘆いていらっしゃいます。
現在も状況はあまり変わらないのではないでしょうか。
さらに興味深いのはこの次の文章なのです。以下に引用してみます。
韓国は九三年の夏、京釜高速鉄道の技術導入で日本企業を排除してフランスのTGVを選んだ。
当時韓国の関係者は「高くついても日本の技術を入れたくない」と感情的な発言をした。
その直後、韓国の対韓投資誘致団が日本を訪れた。
その投資誘致団に「フランスに行ったらどうか?」のヤジが飛んだ。
ビジネスはビジネスの価値基準で行うべきだ。ビジネスに感情移入すれば、ろくなことはない。
このていたらくだと、気がつけば外資企業はみな逃げてしまったという羽目に韓国はなりかねない。
韓国は外資企業にとってハイ・リスク、ロー・リターンの国になった。いや外資ばかりではない。韓国企業にとってすらハイ・リスク、ロー・リターンの国になった。
煩雑な官僚の干渉、朝令暮改の行政規制、ルールなき労使摩擦などビジネス環境は悪化している。投資先として完全に魅力を喪失した。
独裁政権時代(朴正煕大統領時代のこと:筆者注)、経済開発と外資誘致のため企業にいろんな特恵措置が与えられた。
そのツケがいま企業家に回ってきたのだ。このままだと韓国経済は先進国入りの隊伍から脱落する。
憂うべき事態だ。
(後略)⇒参照・引用元:『新版 軍服を脱いだ韓国 気になる隣人』著:池東旭,時事通信社,1994年09月20日新版,pp79-80
1993年に韓国は高速鉄道の技術をフランスから導入したのですが、「フランスの方が高くつくかもしれないが、日本の技術は入れたくない」などと言っていたのです。
まあロクなものではありません。
池東旭先生は「煩雑な官僚の干渉、朝令暮改の行政規制、ルールなき労使摩擦などビジネス環境は悪化している」と書いていらっしゃいますが、現在も事態はほとんど変わっていません。
そのため、韓国のことをよく知っている韓国企業こそが海外へ脱出しています。そして帰ってはきません。
(吉田ハンチング@dcp)