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「K-バッテリー」は本当に韓国を支えられるのか? 実は「半導体の1/10未満」

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韓国は輸出で食べている国で、15大輸出品目といって誇ったりします。しかし、その品目もそれぞれに栄枯盛衰があります。

例えば、自動車産業はすでに峠を越えで弱体化を続けています。無線機器(簡単にいえばスマホ)も中国でのシェアを大きく失い、ディスプレーは中国に追いつかれています。

そのため段々と半導体に依存する率が高まっています。

半導体依存の高まりと「だから求める次期主力輸出品」

もちろん韓国の場合、半導体といってもメモリー半導体に限られるわけですが(だから余計危ない)、産業通商資源部のデータによると2021年末時点での半導体依存度は以下のようになります。

2021年
輸出総額:6,445.4億ドル
半導体:1,287億ドル
⇒半導体の輸出総額に占める割合は20.0%
⇒半導体のICT関連製品に占める割合は56.5%

⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「21年情報通信技術(ICT)輸出、歴代最大実績達成」

輸出総額に占める半導体の割合は「20.0%」にも達し、「ICT輸出強国」なんていいますが、その56.5%は半導体になっています。

つまり、半導体がコケる非常に危なくなるというわけです。

ポスト半導体として成長が期待されているのが「電気自動車用の二次電池」です。

もちろん「ポスト」といっても半導体に代わって、という意味ではなく「半導体のように世界シェアを取るほと大きく成長し、もうけてほしい」ということです。

しかし……。

K-バッテリーは本当に大きく成長するのか?

前文在寅大統領は「K-バッテリーだぁぁぁ!」とぶち上げましたが、果たして車載用バッテリーが半導体のように韓国輸出を支えるまでに発展するのか?――です。

現状では難しいといわざるを得ません。まず、以下をご覧ください。

2022年11月01日、関税庁が出したデータです。通関ベースでの15大輸出品目の「10月の輸出額」と対前年同期比の増減です。

2022年10月、半導体は「92.3億ドル」ですが、二次電池はたったの「8.0億ドル」しかありません。つまり、二次電池の韓国からの輸出規模は半導体の10分の1の規模にもならないのです。

期待をかけるのは分かりますが、韓国の輸出を支えるには全然足りないのが現状です。

組める完成自動車メーカーの規模が不利

次に、「韓国の自動車産業の規模」が不利です。

例えば、ドイツ『フォルクスワーゲン』が電気自動車用のバッテリーはそのほとんどを自社で調達すると発表し、韓国メディアがパニックになったことがありました。

韓国の「バッテリー企業」に絶望感!『フォルクスワーゲン』が脱韓国
韓国メディアには妙に自虐的な記事を出す不思議な特徴がありますが、コレもその例に当たるかもしれません。世界最大級の自動車メーカー、ドイツ『フォルクスワーゲン』が脱韓国だ!と絶望しているのです。「ユニファイドセル・テクノロジー」というコンセプト...

規模の大きい世界的自動車メーカーが韓国企業をオミットすることになると、需要の基礎票固めは「自国の完成自動車メーカー」頼みになります。

しかし、韓国では実質的に『現代自動車』『起亜自動車』しかありません。そのため、販売量では不利になります(あくまで需要の基礎票固めという意味です)。

まして、有象無象ある電気自動車メーカーが中国製のバッテリーを導入すると決め打ちされたら、世界一の自動車市場である中国で韓国企業には打つ手はありません。

実際、『CATL』『BYD』など中国バッテリー企業は乱造される中国産電気自動車に採用されることでシェアを伸ばしているのです。

原材料は完全に中国依存!

また、「原材料の問題」があります。

先にご紹介したとおり、韓国政府はアメリカ合衆国のインフレ削減法(略称「IRA」)を猶予してくれという「泣き」の意見書を提出しましたが、これには「車載用バッテリー」の要件緩和依頼も含まれていました。

韓国産二次電池は、原材料のほとんどを中国から輸入しており、IRAの要件をまともに適用されると補助金の対象外になるからです。鉱物サプライチェーンの中で二次電池の原材料となる資源、

リチウム:68%
コバルト:84%
ニッケル:76%
マンガン:90%

が中国で精錬され、韓国もこれを輸入しています。つまり、アメリカ合衆国・中国の対立がさらに深まった場合、また韓国が中国の怒りを買ったりした場合、必須原材料が入ってこなくなる可能性があります。

あるいは、中国共産党が自国企業の優位性を確立するために、わざと資源輸出を絞ったりすれば、たちまち二次電池製造は干上がるでしょう。

果たして、韓国企業が車載用二次電池で世界的に大きなシェアを占めたままでいられるでしょうか?

技術革新でどう転ぶか分からない

最後に技術革新の問題があります。

車載用二次電池の世界はいまだ途上です。ここから新しい技術が出てきて、既存の電池企業の優位性など吹き飛ばしてしまうかもしれません。日本では性能のいい二次電池を作ろうと、たくさんの研究者が世界を相手にしのぎを削っています。また企業も多額の研究費を投入しています。

電気を効率よく貯蔵できること」は未来にとって重要だからです。

日本の研究者・企業の努力はきっと大きな花を咲かせるに違いありません。

韓国の研究者・企業もこつこつ努力しないと、現在の優位性など簡単にひっくり返されてしまうでしょう。

――というような次第ですので、「K-バッテリーが本当に韓国の輸出を背負って立つようになるか」は、まだ全然分からないのです。現在の優位性を伸ばすことができればいいのですが、事と次第によっては墜落する可能性もあります。

(吉田ハンチング@dcp)

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