前回の続きです。下げ局面におけるMACDの解説についてはネット上にほとんどありませんので、しつこくMACDについて説明しておいた方が読者の皆さんの役立つのでは? と考えております。Money1の佐藤ボイラー(バカ)のヘッポコのようにならないようにしてください。
前回の記事では「売り」のシグナルを示すMACDの使用法について、考案者アペルの言葉を引用しました。アペルは、「全面的」な売りシグナルを「19日」「39日」のMACDがゼロラインを越えてマイナスになってしまったとき、と指摘しています。
ただし、この売りシグナルは「19日」「39日」から成るMACDが上昇に転じたときには取り消されます。この点も重要です。また、ここからさらに市場に参入する際には、より早く反応するMACDを使わなければいけません。
以前の記事で紹介したとおり、「買い」のシグナルには「12日」「26日」から成るトレンドをより早く感知できるMACDを使い、「売り」のシグナルには「19日」「39日」から成る小さな振幅を感知しないMACDを使うのが良いのです。
売りのシグナルの取り扱いについてアペルは次のような助言を行っています。
●上記の条件であっても(前回の記事で引用したアペルのルールのことです)、すべての下落が深刻な市場のダメージになるわけではない。だが平均的に言って、上で述べた売りシグナルは出たあとには市場はさらに下落することになり、このシグナルは尊重されるべきである。
●19日間と39日間のMACDが下落してゼロ以下になるのを待つのではなく、すべてのMACDの売りシグナルが出されるたびにそれらを尊重するなら、全体的なタイミングの結果は若干ながらより効率的となろう。ただしこれをすると取り引きがより煩雑となって、取り引き手数料やウィップソウ(ちゃぶつき)の増加によって、コストがかさむことになる。
●ひとつお勧めしたい資金管理戦略として、最初の売りシグナルが出たときに一部の買いポジションを素早く手仕舞う方法がある。ただし、全面的なMACDの売りシグナルが出るまで、少なくとも一部の買いポジションは維持する。
(『アペル流テクニカル売買のコツ』パンローリング社刊・原題『Technical Analysis:Power Tools for Active Investors』P.285より引用)
「損切り」など手仕舞いを考える際には、これらの基準でMACDを参照してみてはいかがでしょうか。
(高橋モータース@dcp)