「また始まった」という話です。
韓国と北朝鮮の間には、定時連絡を行うために南北共同連絡事務所間に電話回線が引かれています。毎日、09時と17時に電話をすることになっています。
ところが、2023年04月07日、韓国側が電話したところ、北朝鮮側は電話に出ませんでした。午前も午後も2回とも応答しませんでした。
黄海の軍通信線でも午前と午後に定時連絡を行っているのですが、こちらも応答なしです。
この電話に出ないというのは、初めてのことではありません。Money1でも以下の記事でご紹介したことがあります。
このときには、以下のような経緯でした。
2021年08月10日:17:00の通話閉鎖連絡に北朝鮮が出ず。そのまま不通に
2021年10月04日:09:00の「通話開始」に応答
この通話ラインは、毎日09:00に「通話開始」と連絡して開線し、17:00に「通話閉鎖」を告げて終了するものなのですが、08月10日の通話閉鎖連絡に北朝鮮が出ず、そのまま不通となりました。
不通になって以降、韓国側は毎日2回電話していたのですが、北朝鮮側は電話には出ず。
結局復元されたのは、北朝鮮の金正恩総書記が09月29日に「いったん10月初めから関係悪化で断絶させた南北通信連絡線を復元する」と述べた後、10月04日のことでした。
なぜ、電話に出なくなったのかというと、このときは、文在寅前大統領が「朝鮮戦争の終戦宣言をしよう」と躍起になっていました。いったん金与正さんが乗り気な姿勢を見せたのですが、北朝鮮イ・テソン副相が一蹴。ゴタゴタの中、電話に出なくなりました。
今回ですが、米韓演習、アメリカ合衆国軍の朝鮮半島への展開、韓国政府が初めて「北朝鮮の人権侵害に関する報告書を公開したこと」などに反発しているものと推測されています。
『聯合ニュース』などは「単なる機械的なトラブルの可能性もある」などと書いていますが、そんなことはないでしょう。
「これだけミサイルを撃っても全然効かない」上に、米軍、韓国政府による圧迫は厳しさを増すばかりなので、「あ、スネた!」が本当のところでしょう。
実際、北朝鮮はドが付くビンボな上に、もはや通常戦力で韓国に侵攻する力などありません。電話に出ないのも気を引くためであって、放置すればそのうち「構ってくれ」と向こうから接触があるのではないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)