ちょっと信じがたいような数字が出ました。Money1でも先にご紹介した『セマウル金庫』についてですが、融資の延滞率が2023年第1四半期に「5.34%」に達したというのです。
『貯蓄銀行』「5.07%」よりまだ高いのです(相互金融の平均値が2.28%なので『セマウル金庫』の5.34%は異常に高い)。
しかも「5.24%」どころか、一部の支店(地域金庫)では30%を超えるところもあるとしています。本件を調べた『中央日報』の記事から一部を引用します。
『中央日報』の記事の一部を以下に引用します。
(前略)
一部の個別地域金庫の延滞率の状況はさらに深刻だ。『中央日報』が入手した資料によると、首都圏のA金庫の最近の延滞率は32.36%に達した。
1,000億ウォンを融資したとすれば、300億ウォン以上の融資が利息を滞納していることになる。
別の首都圏B金庫の延滞率は27.56%だった。延滞率が二桁を超えた他の地域の金庫も相当数あることが分かった。
金融業界の関係者は「延滞率管理を行っているにもかかわらず、明らかになった延滞率だけ10%以上というのは、回収可能性が実質的に非常に低くなった状況であることを意味する」とし、「資本金が小さい中・小規模の地域金庫であれば、経営改善を期待するのは難しいかもしれない」と話した。
(後略)
韓国のデータを見ていると正常がどこなのか分からなくなりますが、5%を超えている段階で「!?」なのに、30%を超えるというのは尋常でありません。
この『セマウル金庫』は、金融当局ではなく、行政安全部の監督下にあり、そのため対応が遅れたのではないか、という指摘もされています。行政安全部は遅ればせながら、
●一時的な債務調整プログラム
●不動産プロジェクトファイナンス(PF)貸し主団協約
●中央会連携代換融融資
を通じて延滞率を下げるように指示を出し、「毎週延滞率状況を報告せよ」としました。このままでは地域金庫の統廃合を進めなければならないかも――という観測も出ています。
同記事によると、『セマウル金庫』中央会の関係者は、「実体経済の低迷と地方を中心とした不動産PF問題で延滞率が一時的に必然的に上昇したのは事実だ」とし、「ただ、延滞率管理のために様々な自助策を準備しているので、下半期には再び下がるものと予想する」と述べた、とのこと。
また「融資のほとんどは担保がある優先債権なので、安全な軸に属し、不良の心配も少ない。ただ、延滞率の数字が上がっており、予防的な次元で延滞率管理に乗り出した」としています。
「アリの一穴」とかいいますが、本当に大丈夫なのか?――です。
(吉田ハンチング@dcp)