「中国必死だな」という話です。
2023年08月27日、中国当局は日曜日だというのに「28日(月)から、証券市場における取り引きについて印紙税を半額にする」という発表を行いました(以下がプレスリリース)。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット
明らかに「お金を入れてくれ」という懇願です。
中国財政部は「資本市場の活性化と投資家の信頼を高めるため」と書いています。
株式取引の印紙税は25日までは0.1%でしたが、これを28日から0.05%にするとしたのです。
この措置は異例のことで、2008年以来初。
2008年04月に、中国の株式規制当局は、0.3%から0.1%に引き下げました。強気相場は2009年まで続き、上海総合指数は同年に80%以上上昇。
世界的に最もパフォーマンスの高い主要株式市場の一つとなった……のですが、これを再現したいのです。
また同日、日曜日だというのに、中国の証券監督機関である『中国証券監督管理委員会』(CSRC)は、投資家の信頼を高めるためのパッケージ政策手段として、信用融資と証券貸付業務の規則を改定。
『CSRC』は「投資家が証券を購入する際の最低証拠金(委託金)比率を100%から80%に引き下げる」としました(この措置は09月08日から施行)。
これも「もっとお金を入れてくれ」という哀願に他なりません。
信用取引でもっとお金を突っ込めるようにしたわけです。ちなみに、日本の場合、信用取引の「最低委託金の比率」は(約定金額の)30%(かつ30万円以上必要)。至極簡単にいえば、手持ちの資金の3倍は突っ込めるようなルールです。
中国としては「これでどうだ!」という渾身の改定でしょう。
『Global Times』は、今回の措置によって「中国は月曜日(2023年08月28日のこと:引用者注)の取引にかかる印紙税を半額に引き下げる予定で、この措置は資本市場の回復を引き起こし、世界的な景気低迷の中で市場の信頼感と世界第2位の経済を即座に押し上げることが期待される、と業界関係者らは述べた」と書いた記事を出しています。
また「このニュースは中国経済にとって大きな後押しとなり、月曜日には海外資本が中国株に殺到すると予想される」と専門家の意見を紹介しています。
世界第2位の経済を即座に押し上げたか?
では、28日のチャートはどうなったでしょうか?
まず上海総合です。
始値は大したことありませんでしたがドンと上がって……スルスルと下落。長い上ヒゲとなりました。
次にハンセンです。
ドンとギャップアップして始まったのは良かったものの、スルスルと下落。長い陰線となりました。
まだ初日ですが、さあこれは中国当局の皆さんが望んだとおりの結果でしょうか。
中国の証券市場にお金が入るかどうか、ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)