2024年04月16日、韓国の企画財政部が「国債白書2023」を公表しました。
韓国政府が発行している公債の種類をご紹介しておきます。これは白書の中に登場する定義で、以下に引用します。
(1) Types of Government Bonds
The Korean government issued its first debt security – the National Foundation Bond – in 1950 to cover shortfalls in revenue and finance the national budget. While 21 different types of government bonds have been issued since then, the government currently issues fourtypes:
Korea Treasury Bonds (KTBs), Treasury Bills (T-bills), Foreign Exchange Stabilization Fund Bonds (FX SFBs), and National Housing Bonds (NHBs) Type
1.Korea Treasury Bonds (KTBs), which were originally called “Public Debt Management Fund Bonds,” changed to their current name in September 1998 and have been issued regularly since then. Currently playing a representative role in the domestic bond market, they provide benchmark rates for the Korean capital market.
Treasury bills (T-bills), which are used to cover temporary shortfalls in budget, are currently issued as discount bonds with maturities of less than one year.
Foreign Exchange Stabilization Fund Bonds (FX SFBs) are foreign currency denominated state bonds issued to provide base rates for Korean bonds in the international financial market and promote the Korean economy abroad. As of present, all FX SFBs have been issued in overseas bond markets.
National Housing Bonds (NHBs) are bonds issued to raise funds for the construction of residential houses pursuant to the National Housing Act. Unlike other government bonds,NHBs are issued on the basis of mandatory placement.
Although they were issued as either Type 1, 2, or 3 depending on the obligations or grounds for acquisitions, only Type 1 is currently being issued.
(1) 国債の種類
韓国政府は1950年、歳入不足を補い国家予算を賄うため、初の債務証券である国家基金債券を発行した。以来、21種類の国債が発行されてきたが、現在は4種類の国債を発行している:韓国国債(KTB)、国庫短期証券(Tビル)、外国為替平衡基金債券(FX SFB)、国民住宅債券(NHB)の4種類である。
1.韓国国債(KTB)は、当初は「公的債務管理基金債券」と呼ばれていたが、1998年09月に現在の名称に変更され、それ以来定期的に発行されている。現在、国内債券市場の代表的な役割を果たしており、韓国資本市場における金利指標となっている。
2.財務省短期証券(T-bills)は、予算の一時的な不足を補うために使用され、現在、満期が1年未満の割引債として発行されている。
3.外国為替平衡基金債券(FX SFB)は、国際金融市場における韓国債券の基準金利を提供し、海外における韓国経済を促進するために発行される外貨建ての国債である。現在、外国為替平衡基金債券は全て海外の債券市場で発行されている。
4.国民住宅債券(NHB)は、国民住宅法に基づき、住宅建設資金を調達するために発行される債券である。他の国債と異なり、強制発行である。
債務や取得事由によって第1種、第2種、第3種があるが、現在は第1種のみが発行されている。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『国債白書2023』発行」
「2」の「国庫短期証券」は、「財政証券」と呼ばれるもので、Money1でも何度もご紹介している「政府の短借用」債券です。韓国政府が短期資金を調達するためには、
1.財政証券を発行する
2.『韓国銀行』から借りる
の2つの方法があります。「2」の方は中央政府が『韓国銀行』から直接融資を受けるというので、そもそも論外な話なのですが、韓国の場合はこの大変に体裁の悪い方法が多用されています。
「3」が韓国でしばしば話題になる、いわゆる「外平債」です。
「国際金融市場における韓国債券の基準金利を提供し、海外における韓国経済を促進するために発行される」なんて書いていますが、これはそもそも為替介入のための資金を得るためのもの。販売して入手した資金は(公的資金管理基金を経由して)「外国為替平衡基金」に入ります。
ご注目いただきたいのは「外貨建て債券」なことです。当たり前ですが、これの利払い、償還については外貨が必要です。国内向けのウォン建て国債ならウォンを刷れば済むかもしれませんが、外平債を発行し過ぎると利払い・償還に外貨が必要で、これが韓国政府にとって負担になります。
先にご紹介したとおり、韓国政府は初の円建ての外平発行を企図しました。
金利の安い日本で資金を調達すればいい――という話なわけですが、資金の巻き戻しが起こってドボン騒動となった韓国通貨危機の事例を忘れないようにしたいものです。
(吉田ハンチング@dcp)