2024年第1四半期の韓国の金融関連の数字が出そろいつつあります。
日本ではあまり報じられませんが韓国は大変に不景気です。
また一つ、この不景気を証明する数字が出ました。韓国の4大銀行――
『国民銀行』
『新韓銀行』
『ウリィ銀行』
『ハナ銀行』
――の事業報告書によると、2024年第1四半期の「無収益与信」の金額が「2兆9,700億ウォン」に達したことが分かりました。
「無収益与信」というのは、元本どころが利子すら払ってもらえなかった融資残高のことをいいます。2兆9,700億ウォンですから約3兆ウォン。
利子が5%としても、4大銀行は「1,500億ウォン」も取りはぐれたわけです。
ちなみに「無収益与信」は、2023年第1四半期が「2兆5,422億ウォン」でしたから、対前年同期比で「16.8%」も増加しています。
あらためて述べるまでもありませんが、銀行というのはお金を集めてそれを預金金利よりも高い利率で貸し出し、利ざやを稼ぐ商売です。お金を貸して利子払いが入ってこないと商売になりません。
4大銀行のうち、無収益与信が増えなかったのは『新韓銀行』だけで、他の3行は「2023年 ⇒ 2024年」で以下のように増加しています。
「無収益与信の金額」の変化(2023年 ⇒ 2024年)
『国民銀行』:6,310億ウォン ⇒ 8,668億ウォン(+37.4%)
『ウリィ銀行』:4,884億ウォン ⇒ 6,126億ウォン(+25.4%)
『ハナ銀行』:6,712億ウォン ⇒ 8,040億ウォン(+19.8%)
『国民銀行』:6,310億ウォン ⇒ 8,668億ウォン(+37.4%)
『ウリィ銀行』:4,884億ウォン ⇒ 6,126億ウォン(+25.4%)
『ハナ銀行』:6,712億ウォン ⇒ 8,040億ウォン(+19.8%)
これだけ見ても「ナニやってんだ」なのですが、4大銀行の貸倒引当金(貸し先が飛ぶなどしても銀行の健全性を担保できるように積んでおくお金)も著しく増加しています。
2024年第1四半期における4大銀行の貸倒引当金の合計は「8兆3,057億ウォン」。2023年第1四半期が「7兆1,254億ウォン」でしたから、16.6兆ウォンも増加したのです。
何度もご紹介していますが、韓国の金融当局が真に恐れているのは、金融機関の健全性が危なくなることです。
(吉田ハンチング@dcp)