韓国メディア『東亜日報』が興味深い記事を出しています。
アメリカ合衆国の次期大統領選挙でもしトランプさんが勝ったら、韓国の輸出は低迷に陥るというのです。
トランプさんはアメリカ・ファーストな人で、外国からの全輸入品目に対して10%の「普遍的基本関税」を賦課するという意思を見せています(ちなみに中国からの輸入品目については60%を提唱)。
トランプ大統領が再び登場して、この10%の関税が課された場合、韓国の輸出は激減する――という推算が出ました。
『対外経済政策研究院』(Korea Institute for International Economic Policy/略称「KIEP」)は、合衆国が韓国に10%の普遍的基本関税を賦課すれば、対合衆国輸出は152億ドル減少すると推計しました。
では、現在韓国の対合衆国輸出の現況がどうなっているかというと――これは、産業通商資源部が06月末までのデータを公表しています。同部が2024年07月01日に公表した「2024年上半期および06月の輸出入動向」の中にあります。以下です。
対合衆国輸出
2024年01~06月累計:643.0億ドル
韓国の対合衆国輸出は上半期「643.0億ドル」まで達しています。
これまで最大の輸出相手国だった中国については、同じく上半期で「634.1億ドル」です。つまり、国別輸出額で合衆国が中国を抜いたのです。
現在の韓国にとって合衆国が最大の輸出相手国です。
これが、トランプ大統領の「普遍的基本関税:10%」によって減少するかもしれない――というのです。
上掲の「対合衆国の上半期輸出額:643.0億ドル」を単純に倍にして、2024年通年を予測すれば「1,285.96億ドル」です。
『KIEP』の予測は「152億ドル減少」ですから――韓国の対合衆国輸出は11.8%も減少することになります。
ここで思い起こしたいのは、自動車の輸出(金額ベース/2024年01~05月)の58.6%もが北米に輸出されているという事実です。
もしトランプ大統領の「普遍的基本関税:10%」が韓国の自動車輸出に課せられた場合、自動車産業は大きな打撃を受けることになるでしょう。
ね、「自動車輸出が絶好調」とか言ってる場合じゃなかったでしょう?
(吉田ハンチング@dcp)