韓国の大統領選挙の投開票日は2025年06月03日ですので、31日は大統領選挙前の最後の週末。
『共に民主党』の重鎮だった李洛淵(イ・ナギョン)さんが金文洙(キム・ムンス)さんの支援に回らざるを得ないほど、李在明(イ・ジェミョン)さんは「ヤバい」人なのです。
李洛淵(イ・ナギョン)さんは(自分が『共に民主党』から蹴り出されたようなものなので)李在明(イ・ジェミョン)さんのことが大嫌いですし、反感もあるでしょう。
それでも、李在明(イ・ジェミョン)さんを大統領にすると「韓国は怪物独裁国家になってしまう」という、李洛淵(イ・ナギョン)さんの危機感は本物です。
はっきりいえば、今でも『共に民主党』による独裁国家のようなものですが、大統領が李在明(イ・ジェミョン)さんになると、大統領・政府・国会・司法の全てが押さえられてしまいます。
ついでにいえば韓国は報道も左派・進歩系に傾いているので、(古い言葉でいえば)第四の権力もまた左派・進歩系に押さえられているのです。
第一の権力:国会
第二の権力:政府
第三の権力:裁判所
第四の権力:マスコミ
現在では「マスコミ」とくくることができませんが、要は三権の外にあって、三権を掣肘できる4つ目の力です。
現在では「ネット世論」でしょうか。
例えばネット掲示板でも、極端な意見に対しては必ずカウンターが当たります。一方向にみんなで押し流されてしまうということはほとんどありません、人間の良心や合理的な知性を基に反論が出るからです。
その意味では、ネットでの議論は自由民主的なものともいえますし、何より自分が想像もしなかった「視角」や「意見」を得られる機会でもあります。
たとえ99%がトラッシュトークであったとしても、言論の力を実感できる場です。
「王様は裸だ」と本当のことを言われたくないから、独裁者、独裁政権は言論を弾圧します。本当のことが何よりも怖いからです。本当のことが国民の多数に認識されたとき、独裁者、独裁債権を倒すための「力」になるからです。
だから中国を支配する中国共産党はファイアウォールを築き、ネット上の言論統制を行うのです。本当のことを国民に知らせないためです。
翻って韓国。
国会で多数を占める『共に民主党』と李在明(イ・ジェミョン)さんが行っていることは、中国共産党となんら変わりません。
自由民主主義を支えるものは言論の自由であり、いかなる制限も加えられてはなりません。しかるに、2025年05月31日、『共に民主党』の統一大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)さんは次のように発言しました。
「『리박스쿨(リパクスクール)』に出入りした人を通報すれば大々的に報奨する」
李在明は「圧倒的に審判・懲罰しなければならない」と言う
説明が必要でしょう。「リパクスクール」は「李朴スクール」とされます。
李承晩(イ・スンマン)の「李」と、朴正煕(パク・チョンヒ)の「朴」を合わせたもので、「リパクスクール」は、保守寄りの教育・活動団体とされています。
韓国メディア『뉴스타파(Newstapa)』は、保守寄り団体「李朴スクール」がこの大統領選挙期間中に組織的なコメント操作を行い、世論を操作しようとした疑惑を指摘しました。「リパクスクール」はネット上でのコメント操作を通じて、特定の政治的立場を支持する世論を形成しようとした、というのです。
その報道というのは以下です。潜入リポートとなっています。ちなみにこの『Newstapa』は左派・進歩系のメディア。韓国では「政治的でないものは何もない」のです。
⇒参照・引用元:『뉴스타파(Newstapa)』「[특집 라이브] 불법 ‘댓글공작팀’ 잠입 르포」
李在明(イ・ジェミョン)さんの発言は、この疑惑についての回答です。以下のようにも述べています。
「反乱行為ではないか」
「最後の根っこまで全て見つけ出し、厳正に責任を問わねばならない」
「コメントを違法に投稿し、国民世論を操作して選挙結果を覆そうとした重大犯罪集団の名称が『リパクスクール』だという。
『リ』は李承晩(イ・スンマン)の頭文字、『パク』は朴正熙(パク・チョンヒ)の頭文字ではないかと合理的推論をした」
「こうしたコメント操作は国情院(国家情報院)がしていたことだ」
「そこでヌルボム学校(放課後支援校)の教師を養成したというが、奇妙な人々を教育して子供たちの教育や保育を担当させていいものか」
「これがその人たちだけでやったことだろうか」
「さらに深刻なのは、『国民の力』と非常に高い関連性があるということではないか。
国会議員が出入りしていたという話もあり、偽の記者会見をするときに一緒にいたという話もある。そこをさらに掘れば、国をひっくり返すような重大犯罪行為が出てくるだろう」
「今の時代にコメントを操作し、フェイクニュースを作り、それを体系的に準備して選挙結果を台無しにしようとするのか」
「許せるだろうか。必ず根こそぎ断とう」
「こうした犯罪行為によって国が被る被害はどれほど大きいか。私は報奨を画期的に改善する制度を作ろうかと考えている。
仮に5億ウォンずつ与えてでも、通報を受けて(こうした犯罪を)阻止できるなら高くはない」
「今回の選挙は一票でも必ず勝たねばならない。勝てなければ子孫たちに大罪を犯すことになる」
「彼らを圧倒的に審判・懲罰しなければならない」
「私は対立を好まない。これまで多く殴られてきたが、殴られた分だけ殴り返そうという幼稚な人間ではない」
「自分の側の者だけをかばい、他の側を虐待し排除する分裂の政治はしない。それは大統領ではなく反大統領だ」
驚くのは「密告制度を作って5億ウォン出す」という主旨の発言までしています。ちなみに密告して(ウラでこっそり言いつけて)人を貶める「イガンジル」は韓国人のお得意です。
ネットのコメント投稿で世論を操作しようとした――と非難していますが、噴飯物の発言です。
『共に民主党』がそれを言うかね――なのです。
文在寅時代に『共に民主党』の世論操作が発覚した
2018年、文在寅政権下で発覚した大規模なネット世論操作事件がありました。
『共に民主党』支持者・キム・ドンスが「ドゥルキング」というハンドルネームを名乗り、組織的※にポータルサイト(特に『NAVER』)のニュース記事コメントの「いいね(共感)」や「バッド(非共感)」を大量クリックして世論を誘導していたのです。
※キム・ドンスは、単なる「一人のブロガー」ではなく、 「経世会(경공모)」という名前のオンライン政治団体のリーダー でした。この団体には 複数の共犯者(約30人以上とされる)が所属し、組織的にマクロプログラムを使って世論操作を行っていました。
面白いのは、『NAVER』のシステムをハッキングせず、クリックプログラム(マクロ)を使って多数の賛否を投じ、記事の人気度を不正に操作していたことです。
ドゥルキングは単独の「熱狂的支持者」ではなく、『共に民主党』の幹部と接触していました。特に金慶洙(キム・ギョンス)(当時文在寅大統領の側近で後に慶尚南道知事)との関係が強く、操作行為を容認・後押ししていたとされました。
結局、この世論操作は訴追され、「ドゥルキング」ことキム・ドンスは、選挙法違反、コンピューター使用詐欺などの罪で有罪。金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事は、2021年に大法院(最高裁に相当)が懲役2年の実刑を確定。知事職を失職し服役することになりました。
韓国の行く末は自由民主主義国家ではない
ドゥルキング事件をさしおいて、「リパクスクール」を『国民の力』の仕業と決めつけて「彼らを圧倒的に審判・懲罰しなければならない」などと言うのはいかがなものでしょうか。
これは「他人がやれば不倫、オレがやればロマンス」という態度に他ならず、左派・進歩系に特徴的なダブルスタンダードです。
いい加減なオッサンですが、「殴られた分だけ殴り返そうという幼稚な人間ではない」などと言っていますが、殴られた分の倍は殴り返さないと気が済まない人間ですから信用できません。
人にはふさわしいことしか起こりません。
もともと韓国は自由民主主義の基盤となる言論の自由がある国ではありませんが、このような言論統制を行うような国、国民には、それにふさわしい不自由な未来が出来上がるのです。
それは決して自由民主主義の国ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)






