米韓関税交渉で「15%」で妥結し、「対米投資は3,500億ドル」とされました。ここまでは多くの人がご存じでしょう。
しかし、2025年08月25日(現地時間)、キム・ヨンボム政策室長はワシントンD.C.のあるホテルの韓国プレスセンターでブリーフィングを行い、
「両国は造船分野最大1,500億ドルを含み、エネルギー、重要鉱物、バッテリー、半導体、医薬品、AI、量子(クォンタム)コンピューティングなど戦略産業強化を支援するのに金融パッケージを活用することにした。拘束力のないMOUで金融パッケージの造成と運用を規定することに合意した」
「今日発表した企業の(1,500億ドル)投資は米国に対する直接投資だ」
「それは(関税交渉の際に合意した)3,500億ドル投資ファンドとは別個だ」
「3,500億ドルファンドが(投資する)事業が選定されるはずだが、合衆国側で『製造業ルネサンス』や経済安保中核製造業を米国内に構築する優先順位に従って事業が選定されるようだ。わが企業も参加できる」
「わが企業が今後投資するFDI(外国人直接投資)と3,500億ドルファンドは米国の優先順位事業に投入されることになるが、相乗効果を出すことになりそうだ」
――と述べました。
このときの発言が正しいのであれば、韓国による対合衆国投資は、
❶3,500億ドル:投資ファンド(金融パッケージ)
❷1,500億ドル:企業による直接投資
――という計5,000億ドルになります。
また、現在では誰も覚えていないかもしれないのですが、「トランプ大統領任期内に1,000億ドルの燃料を米国から購入する」という件もあります。
もしこれも別枠でイキなら、
❶3,500億ドル:投資ファンド(金融パッケージ)
❷1,500億ドル:企業による直接投資
❸1,000億ドル:燃料購入
――の計6,000億ドルになります。
意図的なのかそうでないのかは不明ですが、メディアの報道の中には、直接投資は金融パッケージに含まれれる――という主張もあります。しかし、それでは上掲のキム・ヨンボム政策室長の発言と矛盾します。
対米投資枠としては、燃料代までイキなら6,000億ドルまで拡大している――と見なければいけないのかもしれません。前にもご紹介しましたが、これは恐喝、カツアゲの類です。
(吉田ハンチング@dcp)






