「米韓韓の関税交渉が円満終了しました」と、来る「APEC」首脳会議でアピールしたい韓国政府ですが、時間は刻々と過ぎています。
APEC首脳会議がタイムリミット(トランプ大統領の訪韓が29日予定)だとすれば、残り6日しかありません。
2025年10月22日に、また仁川空港から渡米した金容範(キム·ヨンボム)大統領室政策室長(19日にアメリカ合衆国から帰国したばかりでした)は、アメリカ合衆国のラトニック商務省長官と会談。
交渉は「大詰め」段階であり、「米韓の隔たりが大きいものがあとひとつ、2つ残っている」などと言っていたのですが――交渉後の言葉では、これがまったく異なったものとなりました。
交渉を終えて商務省の庁舎から出てきた金容範(キム·ヨンボム)室長は、記者団からの質問に答えましたが……。

韓国メディア『中央日報』の記事から発言を拾ってみると以下のようになります。
「残されている争点について話をした」
「一部進展があったが、まださらに議論を進める必要がある」
「争点が一つだけあるという意味ではなく、『1、2個』と言ったのは、それほど多くはないという意味だった」
(「交渉が最終段階に入ったのか」という質問に答えて)「交渉というものは、終わるまでは終わったわけではない」
ラトニック長官との協議前には「多くのテーマでは意見がかなり接近しており、1、2のテーマで両国の立場に大きな隔たりがある」と述べていた金容範(キム·ヨンボム)でしたが、協議後は「言い訳」に変じました。
韓国メディア『毎日経済』では、
現米韓両首脳の2回目の会談の機会を提供するアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議(10月31日~11月01日・慶州)を契機として、韓米貿易協議を締結するための両国間の緊迫した対面協議が22日をもって事実上終了し、結局は両首脳の決断だけが残された形となった。
――と書いています。まるで両首脳の決断に丸投げするかのようにも見えますが、本当に「あとはサインだけ」というところまで長官級協議で詰めきれたのでしょうか。
先にご紹介した「一部だけでもMOUを交わす」もすっかり聞こえてこなくなりました。こちらも駄目だったようです。
APEC首脳会談前の協議が、『毎日経済』が書くとおり「両国間の緊迫した対面協議が22日をもって事実上終了」であるならば、APEC首脳会議の時点で華々しく「米韓関税交渉妥結」を発表するのは難しい――のではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)






