『クーパン』問題に絡んで、アメリカ合衆国下院で新たな法を成立させようという動きが出ています。
その名も「No Racketeers on our Shores Act(わが国領土内の詐欺師禁止法)」です。
「Racketeers」という単語が登場しており、一応「詐欺師」と日本語化しましたが、「racketeer」は、英米法では単なる「詐欺師」ではなく、
組織的・継続的に違法行為や恐喝、詐欺、ゆすりなどによって利益を得る者
――を意味する言葉です。もともとの「racket」は、「ゆすり」「みかじめ料」「犯罪的な金儲け」といった意味です。そこから、
racketeer = ラケット(犯罪的な金儲け)を行う者
racketeering = そのような犯罪活動
という言葉が生まれました。
――この法案を提出したのは、Michael Baumgartner(マイケル・バウムガートナー)『共和党』下院議員で、2026年07月22日に下院議会に提出されました。

↑Michael Baumgartner『共和党』下院議員。
バウムガートナー議員と聞いて「あれ?」と思われた方がいるかもしれません。
同議員は、例の駐米韓国大使あてに下院司法委員会が送った公開書簡にも名を連ねていた「CSGK(コリア・スタディ・グループ)」のメンバーです。

もう何度だっていいますが、合衆国側は『クーパン』問題を「合衆国企業に対する韓国政府による差別的な扱い」と考えており、これに激怒しているのです。
今回、バウムガートナー議員が提出したのは、明らかに韓国を標的にした「報復措置を取ることができるようにする法案」です(法案では「韓国」と名指しされてはいません:後述)。
早い話が、韓国政府関係者や公務員を「Racketeers(詐欺師)」と規定しているのです。
法案の具体的な内容は以下です。
読むのが面倒くさい方は、次の小見出しまで飛ばしていただいても大丈夫です。
第119議会
第2会期
H.R.9834アメリカ合衆国人に対して経済的差別を行う外国人について、移民・国籍法を改正し、その者を合衆国への入国不許可および国外退去の対象とするとともに、その他の目的のための法案。
合衆国下院
2026年07月22日マイケル・バウムガートナー議員が以下の法案を提出し、司法委員会へ付託された。
法案
合衆国人に対して経済的差別を行う外国人について、移民・国籍法を改正し、その者を合衆国への入国不許可および国外退去の対象とするとともに、その他の目的のための法案。合衆国連邦議会において、上院および下院により、次のとおり制定する。
第1条 略称
本法は、「No Racketeers on our Shores Act(わが国領土内の詐欺師禁止法)」として引用することができる。第2条 経済的差別を行う外国人の入国不許可および国外退去
(a) 入国不許可
移民・国籍法第212条(a)(2)(合衆国法典第8編第1182条(a)(2))を、末尾に次の号を追加することにより改正する。(J) 経済的差別
外国政府の公務員として在職中の外国人であって、合衆国人に対し、一件または複数件の調査、法執行措置、許認可に関する決定、罰金、手数料、租税賦課その他の法的、規制上または行政上の負担を開始し、指示し、実施し、関与し、または命じた者であり、その負担が、個別に見ても、または総合して見ても、合衆国人ではない同様の立場にある者に対して開始され、指示され、実施され、関与され、または命じられたものよりも、より重く、より頻繁であり、または手続上より不利なものである場合には、その外国人は合衆国への入国を認めないものとする。(b) 国外退去
移民・国籍法第237条(a)(2)(合衆国法典第8編第1227条(a)(2))を、末尾に次の号を追加することにより改正する。(G) 経済的差別
外国政府の公務員として在職中の外国人であって、米国人に対し、一件または複数件の調査、法執行措置、許認可に関する決定、罰金、手数料、租税賦課その他の法的、規制上または行政上の負担を開始し、指示し、実施し、関与し、または命じた者であり、その負担が、個別に見ても、または総合して見ても、合衆国人ではない同様の立場にある者に対して開始され、指示され、実施され、関与され、または命じられたものよりも、より重く、より頻繁であり、または手続上より不利なものである場合には、その外国人は国外退去の対象とする。⇒参照・引用元:『合衆国連邦立法情報』公式サイト「H. R. 9834」
韓国人公務員をターゲットにしてぶん殴れる法律
法案自体は短く、条文は簡潔ですが、法案名は「(外国の)政府権限を利用して合衆国企業を不当に狙い撃ちにする者」という強い政治的非難を込めたネーミングになっています。
・移民法を改正して外国公務員個人を制裁対象とする、比較的コンパクトな法案
・国家全体ではなく、意思決定を行った個人に責任を負わせる仕組み
・「経済的差別」の概念を移民法に取り込もうとしている
――のが特徴です。
仮に、あくまで「仮に」ですが、合衆国政府が韓国当局によるクーパンへの措置を「経済的差別」に当たると認定した場合には、
個人情報保護委員会(PIPC)の委員
調査・処分を決裁した幹部
その他、法案の要件に該当すると認定された担当公務員
など特定の韓国人の公務員個人が、
・合衆国への入国を拒否される
・既に合衆国内にいれば国外退去の対象となる
可能性があることを意味します。
早い話が、国家全体に経済制裁を科す制度ではなく、意思決定に関与した個人を狙う「ターゲット制裁」に近い発想です。
韓国に言うことをきかせようとするなら、もう何度だっていいますが「(中国のように)ぶん殴る」しかないのです。
これは「韓国をぶん殴るための法(法改正)その1」――です。
(吉田ハンチング@dcp)





