韓国メディアでは「05月に就業者61.9万人増!」などと見出しに書いてあるかもしれませんが、果たして手放しで喜べるでしょうか?という件をご紹介します。
全体では確かに「対前年同期比:61.9万人増」ですが……
2021年06月09日、韓国の統計庁から「05月の雇用動向分析」が公表されました。コロナ禍で韓国の雇用市場は氷河期になってしまったのですが、徐々にですが戻りつつあります。
しかし、雇用は最後に戻るなんていわれるように、モメンタムは重いのです。
統計庁のデータを見ると、
就業者数:2,755万人(対前年同期比:61.9万人増)
とかなり良く見えるデータになっております。
特に、2020年03月~2021年02月で就業者数が減少を続けた後では。
04月:65.2万人増
05月:61.9万人増
※対前年同期比
と2カ月連続で増加に転じ、やっとトレンドが変わったかと思わされる結果になりました。
ただし、です。
これを世代別に細かく見ると、労働者の主力である30、40代では以下の結果なのです。
2021年01月:-27.3万人
2021年02月:-23.8万人
2021年03月:-17.0万人
2021年04月:-9.8万人
2021年05月:-6.9万人
40代の就業者増減
2021年01月:-21.0万人
2021年02月:-16.6万人
2021年03月:-8.5万人
2021年04月:-1.2万人
2021年05月:-0.6万人
※対前年同期比
確かに、04月、05月と比べると減少幅は劇的に良くなったものの、30・40代ではまだ昨年コロナ禍中より就業者数は減少しているのです。
実は60代以上が就業者増の74%!
――しかし、全世代トータルで見ると就業者数は上掲のとおり前年同期比で増えています。
つまり、こういうことです。あまりに底までいった若年層、政府が職を大量に提供した60代などでは就業者数の回復が大きいのですが、残念なことに働き盛り世代では昨年よりもまだ悪い状況なのです。
その証拠に、就業者数の増加が一番多いのは「60代以上」で、対前年同期比で「45.5万人」も増えています。
ということは、全世代トータルで増えた就業者「61.9万人」のうち「45.5万人」ですから、実は「60代以上」が73.5%になるのです。
コロナ禍から立ち直りつつあるとはいえますが、60代以上の人ばかり仕事が増えているという状況は、果たしてよいことでしょうか?
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2021年05月の雇用動向分析」
(吉田ハンチング@dcp)