韓国の『韓国電力』がまた社債発行量を増やしています。
韓国メディア『ソウル経済』の記事から一部を以下に引きます。
(前略)
12日、債券業界によると、『韓国電力』は先週、2年9カ月物2,900億ウォン、3年物7,800億ウォンなど、総額1兆700億ウォン規模の社債を発行し、この日、2年物・3年物・5年物など総額2,000億ウォン分を追加発行することを決めた。07月以降、この日までに発行した規模だけで約3兆3,000億ウォンに達する。
今年07~09月期はまだ50日ほど残っているにもかかわらず、昨年07~09月期の総発行額(2兆6,000億ウォン)をすでに上回った。
韓電債の発行量が急増したのは、韓電が発電会社から電力を購入する際に支払う電力卸売価格(SMP)が中東戦争の余波で上昇している一方、電気料金は長期間据え置かれており、不足する運営・投資資金を債券によって調達せざるを得ないためだ。
実際、1日平均の1kWh当たりSMPは今月1日に147.75ウォンを記録した後、韓電の損益分岐点とされる146ウォンを毎日上回っている。
問題は、年後半に進むほど事業環境がさらに厳しくなり、債券発行量が一段と増える可能性があるという点だ。
この日、韓電は連結ベースで今年上半期の営業利益が4兆9,127億ウォンだったと公示した。
昨年上半期(5兆8,835億ウォン)に比べ16.6%減少した数字だ。
下半期には、中東戦争期間中に生じた液化天然ガス(LNG)価格の急騰分が発電燃料費に本格的に反映されるうえ、LNG発電の比率も高まり、営業利益がさらに減少するとみられる。
これは結局、債券発行の増加につながるとの分析だ。
『韓国電力』の社債発行が増えれば、社債市場全体にも悪影響を及ぼす。
流通量が増えることで韓電債自体の金利が上昇し、それが他の社債の金利も押し上げ、発行を萎縮させる可能性がある。
2022年当時、エネルギー価格の上昇による収益性悪化を受け、『韓国電力』が32兆ウォン規模という過去最大級の債券を発行した際には、他の社債の金利も急騰した。
(後略)
まず『韓国電力』の業績は第2四半期に急激に悪化しています。以下をご覧ください。
| 2026年1Q | 2026年2Q | 2026年上半期 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 24兆3,985億ウォン | 21兆9,189億ウォン | 46兆3,173億ウォン |
| 営業利益 | 3兆7,842億ウォン | 1兆1,286億ウォン | 4兆9,127億ウォン |
| 当期純利益 | 2兆5,190億ウォン | 2,775億ウォン | 2兆7,965億ウォン |
営業利益は、第1四半期 ⇒ 第2四半期でわずか3カ月で2兆6,556億ウォン、約70%減少しています。
純利益はさらに極端で、2兆5,190億ウォン ⇒ 2,775億ウォンですから、四半期ベースでは約89%減少したことになります。
この利益の急減を補うために社債を発行しているわけです。
当時Money1でも記事にしたことがありますが、『韓国電力』が社債発行を異常に拡大したおかげで、社債市場の金利が急騰しました。


韓国金融投資協会によれば、『韓国電力』社債3年物の金利は11日時点で「4.183%」。
年初に比べ約1%ポイント急騰しているのです。
『韓国電力』は一応、親方太極旗でほとんどリスクのない――という評価ですが、この社債の金利が上昇するということは、他のより「リスクが高い」社債の金利は上がらざるを得ません。
2026年07月16日、韓国の金融通貨委員会が基準金利を3年6カ月ぶりに「2.75%」に上昇させ、ただでさえ資金調達コストは上昇しています。
『韓国電力』の業績が苦しくなっているのは、記事内にもあるとおり、燃料価格が上がっているのに電気料金が据え置かれているため、儲けを出せなくなっているからです。
(吉田ハンチング@dcp)





