韓国政府が借金を膨らませながら市中にお金を回そうとしている、という話はこれまでご紹介してきとおりです。
2020年06月11日、韓国の企画財政部によると、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は「第6回非常経済中央対策本部会議」を主催し、「投資活性化などを通じた民間雇用創出基盤強化策」について、
今年中に予定されている「100兆ウォン」規模の資金注入を加速する
と表明した模様です。
この100兆ウォンの投資計画というのは、今回の新型コロナウイルス騒動前、2019年12月19日に韓国政府が表明したもの。
例えば以下の記事のように韓国メディアでは大きく取り上げられました。
⇒参照:『ハンギョレ』「政府、来年100兆投資開発…『低成長脱出』総力戦」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
韓国の経済成長率が鈍化し、2019年には「今年は2.0%を切るのでは」といわれていたため、これを打開する目的で韓国政府が立てた投資開発計画、その予算なのです。
公共部門への投資:60兆5,000億ウォン
民間部門への投資:25兆ウォン
民間資本部門への投資:15兆2,000億ウォン
などで構成されているとのこと。
新型コロナウイルス騒動でどうするのかと思われていたのですが、「やる」「行くところまで行く」覚悟のようです。
韓国メディア『東亜日報』の2020年06月11日の記事から以下に引用します。
(前略)
ホン副首相は「今年の公共・民間・民間資本など100兆ウォン投資プロジェクトの推進を加速していく」とし「特に企業、民間投資25兆ウォンのうち残余分5兆8,000億ウォン(すでに約20兆突っ込んでいる:筆者注)は、下半期に迅速に開発投資するだろう」と述べた。続いて「残りの民間資本事業5兆2,000億ウォン執行と10兆プラスアルファ規模の新規開発も年内に推進する」とし「公共投資60兆5,000億ウォンは、年内に100%執行完了するだろう」と強調した。
ホン副首相はまた、「非対面・バイオなどのポストコロナ有望分野のベンチャー・創業活性化のために、これに対する投資・融資・保証等の資金支援を2.1兆ウォン以上大幅に拡大したい」とも述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『東亜日報』「ホンナムギ『100兆投資加速…民間雇用15万』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
大変勇ましい計画で、これによって「雇用を創出する」としています。しかし、投資というのは「当たるも八卦当たらぬも八卦」で、外した場合、びた一文戻ってこないかもしれません。
また、確かにお金を回すことにはなりますが、際限なく膨らんでいる政府の借金についてはどうするのか、という話は韓国政府からは聞こえてきません。
「コロナ後に考える」のが基本姿勢です。もしかしたら「後の政権が考えろ」なのかもしれません。大変に香ばしい話ではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)