2020年06月10日、『韓国銀行』は「2020年4月の通貨および流動性の集計」を発表しました。その中で「M2」が「3,020兆2,270億ウォン」に達したことが分かりました。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』「2020年4月の通貨および流動性の集計」
http://www.bok.or.kr/eng/bbs/E0000634/view.do?nttId=10058653&menuNo=400069
「M2」とはお金の流動性を示すときによく使われる指標で、しごく簡単にいえば「市中にお金がいくらあるんだ」を示しています※。
この「3,020兆2,270億ウォン」(季節調整後は「3,018兆6,000億ウォン」)は『韓国銀行』が通貨・流動性の統計を公表し始めた2001年12月以降で最大。また前月からの伸び「34兆ウォン」(1.1%の増加:季節調整後ベース)も史上初です。
どういう状況かというと、新型コロナウイルス騒動でお金が回らなくなるぞ!という危機ですから、企業は現金確保に狂奔し金融機関などからお金を調達、政府と金融当局も『韓国銀行』『産業銀行』『輸出入銀行』を通じてお金を供給。このような流れの中でM2が史上最大にまで膨らんだのです。
現在韓国の金利は史上最低レベルに下がっていますが、これもM2の拡大要因です。
金利が下がったのでお金を借りやすくなったわけですから。また、政府が第三次補正予算「35兆3,000億ウォン」を決定しましたが、これが執行されるとさらにお金が供給され、市中のお金が増大します。
経済的な危機状態にある韓国ですが、極めて皮肉なことに市中にあるお金は史上最大まで膨らんで「じゃぶじゃぶ」なのです。もちろん危機を克服するために行った結果なので否も応もないわけですが。
2020年06月11日の韓国メディア『毎日経済』の記事から以下に引用します。
(前略)
韓国銀行関係者は、「まずはコロナ19による経済危機を克服することが急務だが、危機が終わった後、あふれる流動性を回収することも重要だ」とし「流動性を回収するために金利を上げると激しい反発がある。すでに懸念の声が出ているのも事実だ」と述べた。⇒参照・引用元:『毎日経済』「実体経済の悪化が…市中に解かれたお金3,000兆突破」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
識者が懸念しているのは、この大量のお金がどこへ流れるかです。新型コロナウイルス騒動後のことも考えておく必要があるのです。
※M2=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等<マネーサプライ統計のM2+CD対象預金取扱機関と一致>)
⇒参照・引用元:『日本銀行』「マネーストック統計のFAQ」
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/faqms.htm/
(柏ケミカル@dcp)