Money1では連日KOSPI(韓国総合株価指数)の動向についてご紹介していますが、個人投資家が旺盛に「買い」に走っているのはご案内のとおりです。
実は、「東学アリ」と呼ばれる投資家の皆さんは韓国株式市場だけではなく、海外の株式にも巨額のお金と投じています。アメリカ合衆国はもちろんですが、その資金は中国にも向かっています。
例えば韓国メディア『毎日経済』の2020年07月14日付けの記事では、
7月に入って中国の株式市場が急騰。大勢の国内投資家も現地直接投資に乗り出したことが分かった。
国内の海外投資族は、今月に入って中国の株式を1,300億ウォン以上買い越した。
既に先月全体の買い越し規模を遥かに超えている。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「【独占】中国にって行った蟻たち、100億以上ベットしたのはこの銘柄」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
と報じています。
ちなみに中国の株式市場はどのように推移しているかというと、以下のようになります。「上海総合」と「香港ハンセン」ですが、確かに07月に入って急騰を見せました。
「上海総合」では、07月の上昇が頭打ちになり、いったん「3,200」まで下落。ここで底を固めて現在は再上昇の途中です。
「香港ハンセン」では、急騰が4日で止まり下落に転じました。もちろん「香港保安法」を巡るアメリカ合衆国と中国の対立激化によるものです。
上記の『毎日経済』の記事によれば、07月10日までの8営業日で、韓国の投資家は「1億1,492万ドル」の中国株式を買い越したとのこと。06月の買い越し規模が「8,839万ドル」だったので、8営業日で前月の記録を超えたのです。
結局07月の結果はどう締まったかというと……『中央日報(日本語版)』が2020年08月05日の記事で報じましたが、
(前略)
韓国人投資家の中国株買いが急増している。韓国預託決済院が4日に明らかにしたところによると、韓国人投資家は先月中国株を2億3,960万ドル相当買い越した。
月別基準で過去最大だ。
6月の8,839万ドルの3倍に近く、上半期全体の買い越し額4億7,984万ドルの半分に達する規模だ。
(後略)
2020年上半期(01-06月)で「4億7,984万ドル」、07月だけで「2億3,960万ドル」ですので、01-07月計「7億1,944万ドル」(約760億円)※も中国株式を買い越したことになります。
「大丈夫ですか?」という話
まず、合衆国と中国の対立がこれからますます激烈になろうかという時期に中国株式に投資して大丈夫でしょうか?という疑問があります。
また、合衆国は中国企業が合衆国市場に上場させない、事実上の締め出しにかかっていますが、それは「中国企業がきちんとした監査を受けず、ウソの決算報告をしていた」のが明らかになったからです。
中国株式市場に上場している企業が同様のウソをついていないと誰が保証できるのでしょうか?
『中央日報(日本語版)』の記事のタイトル「これからは大陸だ」は大変に面白いのですが、「今から大陸?」かもしれませんよ。
※ドル円換算は2020年08月05日の「105.68円」を用いました
(吉田ハンチング@dcp)