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韓国は対中国貿易が破断すると「中国の6倍」被害を受ける

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対中国貿易が赤字に転落したことで、中国との関係をこれからどうするべきなのかと韓国内でも侃々諤々の議論となっています。

しかし、今スグに中国と手切れできるかというと全くそんな状況にないのが韓国たる所以です。

手切れも何も「中国依存」が高まっている!

以下は、韓国産業通商資源部の「部品素材統計ネット」からのデータです。韓国が2019年07月以降、国産にこだわりだした「素材・部品・装備」の輸入で、国別にどのくらい依存しているのか、中国と日本を抜き出したものです。

韓国メディアでは「日本依存が最低レベルにまで落ちた」と喜んでいたりするのですが、合衆国中国の対立が激化して、ブロック化が進もうかというときに、よりによって中国依存を進めています。

「あんたちはナニをやってんだ」と突っ込みたいところですが、他にも韓国が次期主力輸出品と目している二次電池の素材でも中国依存は「約95%」もあります。

2022年01~05月の対中国依存度
二次電池の原材料
:平均94.5%(87.6%)
 酸化リチウム
 酸化コバルト
 硫酸コバルト
 人造黒鉛

※( )内は2021年の対中国依存度
⇒データ引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト

2021年は「87.6%」だったので、対中国依存度はむしろ上がっています。

このような状況ですので、2022年08月16日に発効したインフレ抑制法の「二次電池」の制限にひっかかることは容易に予測できます。なにせインフレ抑制法では、

電気自動車が搭載するバッテリーの一部原材料や部品の原産地まで限定されています。

コバルトなどの原材料となる重要鉱物に関しては、中国・ロシアなど「懸念される外国の事業体」で抽出、処理、リサイクルされている場合、あるいはバッテリー部品に関しては、当該国で生産あるいは組み立てが行われた場合は税額控除の対象外となります。

となっています(ただしバッテリーについて制限がかかるのは2023年01月01日以降に購入あるいあは契約される車両から)。

バッテリーに限らなくても、例えばワイヤーハーネス。中国で工場が止まり、輸出数が細くなるととたんに韓国内の工場ラインも止まるのです(以下の先記事で紹介しました)。

韓国「今度はワイヤーハーネス不足」で自動車減産。中国依存を減らしたはずでは……
韓国はいろんな「○○不足」に陥る国ですが、今度は自動車のワイヤーハーネス(WireHarness)不足です。不足のためにすでに自動車の減産に至っています。ワイヤーハーネスというのは、「機器の動力となる電力と機器制御を行う電気信号を伝える役割...

韓国が有力な輸出品目として扱っている電気自動車(ワイヤーハーネスは電気自動車に限りません)でもこのような現状なのです。

資源、資本財・中間財の要所要所を中国に依存しているので、中国が怒ってこれらを韓国に輸出するのを止めたら、とたんに韓国は干上がっています。

韓国への影響は中国の6倍と被害甚大!

中国がまだしも韓国にえびす顔を見せるのは半導体があるからです。もし半導体がなかったら、中国はもっと韓国を圧迫するでしょう。

韓国の対中国貿易額の全貿易に占める割合はおよそ1/4ほどになりますが、中国にとって韓国はさほど重要な国ではありません。

これについてシンクタンク『韓国産業研究院』(略称「KIET」)が興味深いリポートを出しています。それによれば、


過去10年間
韓国の貿易に対中国が占める割合:20~25%
中国の貿易に対韓国が占める割合:6~7%

⇒参照・引用元:『韓国産業研究院』公式サイト

となっています。さらに面白いのは、韓国の対中国依存度をGDPで見た場合です。以下です。

過去10年間
対中国貿易の韓国GDPに占める割合:15.7%
対韓国貿易の中国GDPに占める割合: 2.5%

韓国・中国が全く没交渉に陥った場合、韓国はGDPの15.7%が吹き飛びますが、中国の場合はGDPの2.5%しかなくなりません。

つまり、韓国は中国の約6.3倍の被害を受けるということです。

どちらが優位な立場なのかはいうまでもありません。

貿易がこけたら「本当におしまい」

あとひとつ、このリポートで重要な部分は、韓国のGDPに占める輸出依存度が過去10年で70%超もあるということです。

何を意味しているかというと、内需が小さい国なので輸出がコケたら「本当におしまい」ということです。

もちろん、Money1でずっとご紹介しているとおり、これは国際収支統計を見ればスグに分かることなのですが。貿易収支(通関ベースではありません)が赤字になると、とたんに経常収支が赤字に傾く構造になっているので、70%超という数字も当然です。

(吉田ハンチング@dcp)

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