2020年08月18日、台湾企業『キャッチャ-・テクノロジー』(可成科技)が中国から脱出することが分かりました。同社は一般にはあまり有名な企業ではありませんが、Appleの『iPhone』『PowerBook』の金属筐体の製造を担当する主要サプライヤーです。
『キャッチャ-・テクノロジー』は、江蘇省泰州市、宿遷市にある2つの会社の株式全てを中国企業『レンズ・テクノロジー』(藍思科技)に99億元で売却。一挙に撤退を決めました。
『レンズ・テクノロジー』はiPhoneの画面ガラスを製造する企業です。
『日本経済新聞』の報道では、これで『レンズ・テクノロジー』は「iPhoneのガラスから金属ケースまでを一貫して生産できる体制を整え、米アップル向けのビジネスを一気に拡大する」としています(本稿末の記事を参照)が、果たしてそうでしょうか?
むしろ逆で、『キャッチャー・テクノロジー』が中国外に製造拠点を移したら、そこにAppleからの発注がくるのではないでしょうか(笑)。この場合は中国企業はAppleからの発注がなくなってドボンかもしれません。
気になのは『キャッチャー・テクノロジー』が売却代金を全部人民元でキャッシュで受け取ったとされている点です。さて、これは国外に運び出すことができるのでしょうか。あるいはドルに換えることができるのでしょうか。
それはともかく、同社の撤退の仕方は見事という他ありません。
⇒参照・引用元:『日本経済新聞』「台湾・可成科技、中国同業にiPhone工場売却 1500億円」
(吉田ハンチング@dcp)