2020年11月27日、韓国メディア『中央日報(日本語版)』に「フランスの知的財産権の使用代金を支払わずに済むか」という記事がでました。なんのことかというと、韓国造船産業が「受注した!」「世界一の技術」と誇っているLNG(液化天然ガス)運搬船のことです。
もう5カ月ほど前にご紹介したことがありますが、フランスの『GTT』社が「メンブレン型」と呼ばれる、より多くのLNGを運搬できる船倉構造のオリジナル特許を保有しており、
のです。例えば、スロット契約まではいったカタールからLNG運搬船100隻の本発注がきたとして、
をフランスに支払わないといけないのです。こういうのを鵜飼いの「鵜状態」というのでしょうが、さすがに韓国もこれは嫌だ、と。
『GTT』にひと泡吹かせたやった!が……
で、今回『中央日報(日本語版)』の記事は、韓国の公正取引委員会が『GTT』に「125億2,800万ウォン(約12億円)」を課したことを報じているのです。
理由は、
⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「韓国、フランスから『LNG技術』独立可能か」
となっています。これに対する是正命令と課徴金です。
では、フランスにロイヤリティーを払わずに済むのかというと……これが全然ムリなのです。同記事から一部を引用します。
(前略)
LNG船のロイヤリティー問題が「国富流出」と見なされ、政府は2004年から10年かけて国内造船会社、韓国ガス公社などと共に国産貯蔵タンク技術「KC-1」を開発した。2018年にサムスン重工業がこの方式で建造したLNG運搬船を『SK海運』が運航したが、貯蔵タンクの外壁に結氷現象が表れるなど欠陥が発生した。
(後略)
フランスにロイヤリティーを払いたくないので、オリジナルと称するものを造ってはみたものの全然ダメだったのです。で、現在も嫌々ながらフランスにロイヤリティーを支払うしかないというわけです。
ちなみにフランスの『GTT』は、今回の公取委の判断に控訴する構えです。同記事によれば、
「適切な手続きを通じて控訴する予定であり、裁判所の最終判断まで(課徴金賦課)決定は延期されるべきだ」と強調した。
(後略)
とのこと。簡単にいえば「韓国に課徴金なんか払わねぇからな!」ですね。
(吉田ハンチング@dcp)