韓国でも話題の新しい徳政令が、2021年04月29日、本会議に上がる予定でしたが……。韓国内でも「銀行負債帳消し法」として注目されています。
先にご紹介したとおり、
(コロナなどの災害で)営業を制限または営業所の閉鎖命令を受けたり、経済の急激な変動に所得が大幅に減少した事業者は銀行に融資元本返済の減免、利金償還の猶予を申請することができる
危機時、自営業所得が急減すれば、銀行に債務の帳消しを求めることができ、銀行は適切な措置を取らなければならない
という内容で、元本の減免などが申請されたら、銀行は何か措置を行わなければならない、と義務付けています。これは金融機関に対する「債務減免の強要」に他なりません。金融機関からすれば「債権の放棄」を強要されるわけです。
銀行に政府負担を押しつける法律である!
政府与党の一部が04月29日の国会本会議で上程すると奇声気勢を上げている――と報道されていたのですが、世界に類がなく、あまりにもアレな法案なので政府内、金融業界、国会専門委員からも反対の声が上がり、止まっている模様。
ちなみに金融業界からは、
趣旨はいいが、法律が銀行業に過度の負担を与え、かつ金融市場全般への副作用が懸念される。
官治金融を超え、政治金融だ
と反発の声が上がっているとのこと。「趣旨はいいが」も言わない方がいいと思われるのですが……。
学者からは、
災害で困難な状況に遭った人を支援するのは政府の役割であって、その支援の負担を銀行に押しつける法律だ
という至極もっともな批判が上がっています。
政府与党の一部はまだ諦めていませんので、まだこのアレな法律が成立する可能性はあります。ご注目ください。
韓国国会議事堂内のPHOTO(C)Kremlin.ru
(吉田ハンチング@dcp)