よくまあ、あっちこっちでネタがあるものですが、韓国『現代自動車』の「PALISADE」(パリセード)というSUV車で「異臭騒ぎ」が起こっています。アメリカ合衆国で訴訟になりました。
以下がミネソタ州の裁判所に提出された訴状の冒頭ページです。
被告は『Hyundai Motor America, Inc.,』で、『Hellmuth & Johnson』(ヘルムス&ジョンソン法律事務所)が訴状を提出しており、 Richard Stucki(リチャード・スタッキ) さんやTravis Tharpe(トラビス・サーペ)さんなどが起こした集団訴訟です。
訴状によれば、スタッキさんやサーペさんが「パリセード」を購入(リースもあり)したのですが、納品された直後から、新車の匂いではない悪臭があったとのこと。
訴状の原文では以下のようになっています。
7. 原告たちは、パリセードを購入またはリースした直後に、車内から強い悪臭を感じ始めた。
一部の所有者は、臭いが強くて自分自身や乗員が吐き気を催すので運転できないとなっています。また、他の所有者は運転できても臭い新車を運転していることに恥ずかしさを感じているとのこと。
で、原告のスタッキさんは何度も『現代自動車』に連絡を取り、修理を依頼したにもかかわらず、修理するところはないなどと言われたり、真摯な対応を得られなかったと主張しています(中にはファブリーズを噴霧してごまかしたという事例も述べられています)。
同様な目に遭った人たちがついに頭にきて訴訟を起こした、という顛末のようです。
新車を購入して「なんかフガフガ臭い」となったら怒るでしょうし、きちんと対応されなかったらさらに怒りは募ることでしょう。
圧巻は訴状の最後にある『現代自動車』に対する罪状の数え上げです。11個もありますが、一応全部引用してみます。
Minn. Stat. §336.2-313および336.2A-210
②商品性の黙示的保証の違反
Minn. §336.2-314および336.2A-212
③ミネソタ消費者詐欺法(Minnesota Consumer Fraud Act)違反
Minn. Stat. §325F.68, et seq.およびMinn. 8.31, et seq.
④ミネソタ統一不正取引防止法(Minnesota Uniform Deceptive Trade Practices Act)違反
Minn. Stat. § 325D.43 et seq.
⑤明示的保証の不履行
O.C.G.A. §11-2-313および11-2A-210
⑥商品性の黙示的保証の違反
O.C.G.A. §11-2-314 and 11-2A-212
⑦ジョージア州公正取引慣行法違反
O.C.G.A. § 10-1-390, et seq.
⑧ジョージア州統一欺瞞的取引慣行法違反
O.C.G.A. § 10-1-370, et seq.
⑨詐欺的な隠蔽行為
⑩虚偽の陳述
⑪不当な利益
原告側は損害賠償などを求めています。
さて、この裁判の行方も気になりますが、『現代自動車』は「SUVが海外市場で絶好調!」といってきたのです。この先の『現代自動車』の売上への影響がもっと気になるところです。
(吉田ハンチング@dcp)