韓国「自営業者」ローン残高「832兆」。本当に危ないのはこれから

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韓国で無茶な最低賃金の上昇が決まり、中小企業、自営業の皆さんが猛反発しています。韓国民でなくても「危なくなってきた」と感じる状況ですが、さすがに韓国メディア『毎日経済』から「本当の危機はこれから」と危機感を露わにしたタイトルの記事が出ました。

⇒参照:『毎日経済』「840兆借金自営業…『本当の危機はこれから』」

韓国・自営業者の危機的状況

注目しているのは自営業者への融資残高の拡大です。

2021年03月末時点
自営業者のローン残高:831兆8,000億ウォン(約79兆210億円)
(対前年同期比:131兆8,000億ウォン増加/18.8%増加)

⇒データ引用元:『韓国銀行』公式サイト

この負債の増加額は大きすぎます。同期間の負債増加率を比べてみると以下のようになります。

負債の増加率比較
大企業:7%
中小企業:12.8%
家計:9.5%
自営業者:18.8%

このように自営業者の負債増加率は際立っています。また、所得の低い自営業者の方が負債増加率が高いのです。

所得の高低で5つに分類してみると以下のようになります。

負債増加率
1分位(所得下位~20%):26%
2分位(所得下位~40%):22.8%
3分位(所得下位~60%):17.7%
4分位(所得下位~80%):11.6%
5分位(所得下位~100%):19.7%

また人を雇用できる自営業者の数は急速に減少しています。

従業員を雇用する自営業者数
2019年:153万8,000人
2020年:128万人
小計:-25万8,000人

この背景にはコロナ禍のよる不況があるのはもちろんですが、最低賃金の急激な増加によって人を雇用できなくなる自営業者が増加しているのです。

危ないのはこれから

上記のとおり、韓国の自営業者の皆さんは借金が増えて大変な状況となっています。問題はこの先です。読者の皆さんもご存じのとおり、韓国は現在第4次感染が拡大しています。そのため、また人々の行動に制限がかけられ、自営業者の皆さんはお客さんが入らず困窮がさらに進むと予測されるのです。

一方でインフレ懸念が高まっており、先にご紹介したとおり『韓国銀行』は先制的に利上げを行うと明言しています。これだけローン残高が拡大していますので、利上げが行われると変動金利で融資を受けている場合には利子払いが拡大して、負担が重くなることが予想されます。利払いが重くなると特に所得が低い自営業者の方は困ることになります。

さらに現在猶予されている、元利返済の猶予が09月に期限が切れます。先延ばしできた利子と元本の返済を迫られる状況が迫っているのです。

先にご紹介したとおり、金利が上がる局面の方が危ないのです。本当の危機はこれからという『毎日経済』の指摘は正鵠を射ているでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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