韓国の政府債務を見る際には、D1、D2、D3のどれを使うのかで金額が全然違います。韓国政府が自分で金額をいうときには「D1」を使います。
しかし、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)や『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)が国際比較する場合には、普通「D2」を使うのです。
2021年09月08日に企画財政部が発表した「月刊金融動向と課題9月号」の中に「国家債務」について説明した部分がありますので、ちょうどいいですのでご紹介します。
以下をご覧ください。
↑一番右の列は「活用」という項目で、D2は赤丸で囲ったとおり「IMF、OECDが国際比較で使うよ」としています。D1:中央政府の負債 + 地方政府の負債
D2:D1 + 非営利公共機関の負債
D3:D2 + 非金融公企業の負債として計算されており、2019年時点で、
D1: 723.2兆ウォン(対GDP比:37.6%)
D2: 810.7兆ウォン(対GDP比:42.1%)
D3:1,132.6兆ウォン(対GDP比:58.9%)となっています。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト
ご覧のとおり、2019年時点で韓国の政府負債は、「D2:D1の1.12倍」「D3:D1の1.57倍」に膨らむのです。
また、韓国政府が2020年初頭に予算拡大議論で、一部から「韓国の政府債務はまだ30%台」などという声が上がっていたのは「D1」基準でいっていたわけです。しかし、国際比較の議論をするなら『IMF』に倣(なら)って「D2」の方を使うべきでしょう。
残念ながら2020年の実績データが見当たらないのですが、少なくとも『IMF』の資料では「2020年の韓国政府債務:対GDP比率48.7%」となっています(D2基準)。
『IMF』が勝手に算出したのではなく、韓国政府の提供する資料に基づいた数字ですからこれは信用できます。
つまり、韓国政府は2019年⇒2020年のわずか1年で政府債務を対GDP比で「6.6%」も増やしたのです。
パーセントでいうと小さく感じるかもしれませんが、韓国のGDPをざっくり「1.6兆ドル」として「約1,056億ドル」(約11兆6,023億円)も増えたことになるのです。
返さなければならない借金が1年で11.6兆円増えたと考えるとぞっとしないでしょうか(もちろん誰に返す借金なんだという件はあります)。
※以下は念のためのデータです。
(吉田ハンチング@dcp)